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…いやいや。もちろん田中さんが嫌なわけじゃないけど。
こんな私たちだけど一応『新婚夫婦』なわけだし。その新婚家庭に入れる大型家電を、夫の秘書と選ぶ…なんてどう考えてもおかしいわけで。
困惑した私の顔を見て、北斗さんも困惑の表情を浮かべてる。
北斗さんって鈍感なわけじゃなさそうだけど、ときどき変なところがあるよなぁ。
「えぇと…私たちは仮の結婚ですけど、それでも一応 私たち『夫婦』が使うものを、田中さんと選ぶのはどうかと…」
北「そう、ですか？」
「田中さんの好きなお相手に誤解を与えるのも良くないし」
北「……松村社長夫人が新婚早々不倫してるように？」
「見えるかも」
頷くと、北斗さんもワンテンポ遅れて頷く。脳がフル回転してるのか、口がうっすらと開いていて。どことなくあどけない表情がかわいいなぁ…なんて思ってしまった。
北「それは良くないですね。前言撤回します。次の休みが合うときに僕と行きましょう」
「はい。よろしくお願いします」
北「って言ってもいま本当に忙しくて…少し先になるけど大丈夫？」
「もちろんです」
私が笑うと、北斗さんもほっとしたみたいに笑った。その笑顔には何度見たってドキッとさせられて、私はそれを誤魔化すみたいに席を立つ。
「北斗さん、コーヒーのおかわりは？」
北「いただきます。今夜は少し仕事をしないと」
「そうだったんですか？ すみません、雑談に付き合わせてしまって」
北「いや。Aと話すと…なんというか、気が緩みます」
「……それは、褒められているのでしょうか？」
北「うん」
「なら良かったです」
コーヒーは北斗さんの部屋に持っていくことにして、私は静かになった部屋でキッチンの片付けをした。
お仕事をするなら遅くなるだろうし、お風呂は先にいただいてしまおう。北斗さんには、こっそり隠してあるとっておきのチョコレートでもつけてあげようかな。ひとりで映画を観るとき用のなんだけど、疲れた脳には甘いものが効くから。
なんて考えて、この暮らしに意外とすんなり順応した自分にびっくりする。思ったよりもこの部屋は居心地が良いし、北斗さんと過ごす時間も別に苦痛じゃない。むしろ…前の生活より、好き、かもしれない、かも。
「…ほんとに雇ってもらおうかなぁ」
そんなバカな呟きが出るくらいには楽しんでる、のかもしれない。
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なな(プロフ) - 更新待ってます！！ (3月15日 14時) (
レス) @page46 id: a7a739d86f (このIDを非表示/違反報告)
めらとにん(プロフ) - めちゃくちゃきゅんきゅんしてます、！！更新待っています！これからも応援してます🙌🏻💗 (2月20日 21時) (レス) id: 66bf5bffa1 (このIDを非表示/違反報告)
えみりーた(プロフ) - 更新待ってました！楽しみにしてます！ (1月9日 22時) (レス) @page43 id: d4d342cc13 (このIDを非表示/違反報告)
ともか(プロフ) - はじめまして。続きが気になっていたので更新嬉しいです。これからの2人の展開にドキドキしながら楽しみにしてます♪ (1月8日 21時) (レス) id: ba59c24797 (このIDを非表示/違反報告)
ymmrnn(プロフ) - とても文が綺麗で読みやすく、早く続きを読みたくなる作品です。2人にトキメキました。応援してます！ (10月31日 13時) (レス) id: a7dac5969c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エルダー | 作成日時：2023年10月2日 23時
