《2話 記憶のソウシツ》 ページ4
視界に広がるのは、漆黒の世界。
他に何もない、無の世界。
何も...思い出せない。思い出すことができない。
―知識も ー経験も ー思い出も
大切な人すら......思い出すことができない。
『.........ぅ...？』
ーふと。遥か遠くから、声が聞こえた気がした。
声の正体はわからない。
いや...そもそも声ではなかったのかもしれない。
『自分』はそれに導かれるようにして進む
それ以外に...この暗闇ですがるものがないから。
『......。』
やがて、黒に染まった視界が徐々に薄れはじめていく。
こうして自分は......この世界に《喚ばれた》
ーさぁ、目をあけよう。
ー怖がるものは何もない。
ー今からはじまるこれは
ー《本当のあなた》と《仲間》の物語なのだから。
どこからか......最後にそう聞こえた気がした。
ーーーその日。
東京の空を、一筋の閃光が貫いた。
光が収まったと思った次の瞬間。
何処ともわからない森のような場所にいた。
あたりはすでに暗く、人影はみあたらない。
弱々しいあかりだけが、周りの木々を照らしている。
なぜこんな所にいるのか…
自分は誰なのか…尋ねるべき人はいない。
もちろん。自分に問いかけてみても分かるわけはない。
『......？』
ふと、自分の手がなにかを握っている事に
気がついた。
それは...スマホ。
手に馴染む感覚から、間違いなく自分のものだと分かる。
『ここは...?......自分は...どうして？』
わけがわからなかったが。
まぁ、慌ててみても仕方がない。
むしろエネルギーの無駄...かな...
まずは落ち着いて状況を整理してみよう。
とりあえず、スマホのナビの機能を使い
現在位置を確認してみる。
『東京都......新宿...中央公園...？』
なぜ？自分はこんな...とおいところに？
不思議と思った事はそれだった。
その事に引っかかりを覚えつつも...
思考する事はやめなかった。
『たしか...そうだ...自分の名前は......
......A』
なんとか名前を思い出すことには成功するも
どうにもその先からは思い出せない。
他に思い出せるところからでもと
最近あったであろう記憶をたどってみる。
『...たしか......
さっきまでスマホを弄ってて...それから...
.........なにをしていた？』
ダメだ...そこから先が...記憶にない。
それに...なんだか...頭がボーッとする。
｢ふふふふふ。やーっとお気づきになられましたね。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リギア(プロフ) - 寝る猫?さん» いえいえ！こちらこそ！コメントくださりありがとうございます！まだまだつたない文章ではありますが。どうぞよろしくお願いします。 (2020年1月27日 19時) (
レス) id: 2b0b8d67e5 (このIDを非表示/違反報告)
寝る猫?(プロフ) - ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ 作者様!!小説を書いて下さりありがとうございます!!(´TωT｀)御礼に、自分も……って結局は同じになっちゃう……ととにかく!!生まれてきて下さりありがとうございます！(放サモがすき過ぎて…！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: e143dd1261 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リギア | 作成日時：2018年12月23日 0時
