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《2話 記憶のソウシツ》8 ページ11

そう......彼はそのまま逃げてしまえば…
鬼にみつからずに安全に逃げきれた…はずだった......
だけど…勇気をだして......もどってきてくれた!

「しかしですねぇ......
主様を危険な目に合わせるわけには......
そもそも、あの男は出会っただけの赤の他人でしょう?
お互いに助け合うメリットは皆無です。
もしあるとしたらーーー」

そこでサロモンくんは一旦言葉をきる

「それは、底なしのお人好しか、
もしくは......使い捨て前提の計算ですね!」
『でも、それを言ったら…......
サロモンくんとも出会っただけ...だよね?』
「あぁ...主様ぁあぁぁあぁ!!
そんな事言われちゃうと…ボク...ッ!
泣いちゃいますよ!すごく泣いちゃいますよぉ!?」

なら......やることはわかってるよね?

そう言おうとすると遠くから悲鳴がきこえた。

「先程のふとっちょの声ですね...
さ、主様アカオニが戻ってくるまえに...
って!主様ぁあああああああ!?」

もう、サロモンくんの声は聞こえなかった…
あの学生が......勇気を持って助けにきてくれた学生が......食べられるのを
だまって見捨てるなんて事...
自分にはできない。

「あ...あぁぁ...」

走って...走って...走って......
はやく!もっとはやく!手遅れになる前に!

「オイツメタ...オイツメタ......」

見えた!あのアカオニ!

「こんなことなら......さっき買ったお菓子
全部食べておけばよかった…......」

間に合え...間に合え!間に合えぇ!!
そのままスピードを緩めず!ただまっすぐに!

「グガッ!?」
『こっち!はやく!』
赤鬼と学生の間へと割り込み...その怯えた手をひいて走り出す

不意をつかれたアカオニは一瞬だけひるむも
また、すぐに2人を追いかけ出す。

「た...助かったよ!
でもこれからどうするの?」
『......わかんない!』

なんとか学生を助け出したものの…
その一言でキッパリと言う

「まさかの無計画ーーー!?
ケンゴじゃあるまいしっ!!」

......誰やねん…そいつ......

「あっ!ケンゴって僕のクラスメイトでね.....
って、そんな場合じゃなーーーい!」

キレイなノリツッコミを少しだけ生暖かい目でみつつ...
ふと、疑問に思った事をきいてみた。

『......なんで、さっき......もどってきたの?』
そのまま逃げてれば…助かったかもしれないのに…

「あのまま逃げたら…後味が悪いじゃないか。
キミを見捨てたって思い出すたびに、これから一生ご飯がおいしくなくなっちゃう。」

『えぇー......ご飯のためだった......』
どんだけご飯が好きなんだ...この子...

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リギア(プロフ) - 寝る猫?さん» いえいえ!こちらこそ!コメントくださりありがとうございます!まだまだつたない文章ではありますが。どうぞよろしくお願いします。 (2020年1月27日 19時) (レス) id: 2b0b8d67e5 (このIDを非表示/違反報告)
寝る猫?(プロフ) - ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ 作者様!!小説を書いて下さりありがとうございます!!(´TωT`)御礼に、自分も……って結局は同じになっちゃう……ととにかく!!生まれてきて下さりありがとうございます!(放サモがすき過ぎて…! (2020年1月27日 19時) (レス) id: e143dd1261 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リギア | 作成日時:2018年12月23日 0時

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