占ツクの主役は我々だ！【短編集】 (ページ8)

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見てるだけ、なんて嫌/kn ページ8

放課後、ぼーっとサッカー部が練習しているところを眺める。まぁ、好きな人がシュートしてるところとか見たいじゃん？

「…っあ」
シュートした！！かっこいいなぁ…

私が好きになった相手はサッカー部でクラスの中心になるような人で明るくて、元気で、頭も良くて運動神経も良くて学年の女の子を虜にするくらいかっこいい。
コネシマくんって言うんだ。
でも私は付き合いたい訳じゃなくてただ遠くから見てるだけでいい。他の女の子に勝てないし。
でも、なんでかな…今までだったら後輩にコネシマくんの良いとことか、かっこよかった話をしたらスッキリしてたのに…

なんで今は物足りないって思ってるの？

足りてる…はず…
でもちょっと違う。「A」って呼んでほしいって思ってる。
無理だって分かってるのに…私は地味でさえないし、きっとコネシマくんは私のこと知らないだろうなぁ

「先輩。何言ってるんすか？好きなら好きって言えばいいじゃないすか」

後輩のショッピくん。いつも相談に乗ってもらっている。
今日もいつも通り放課後、相談に乗ってもらっていた。
『私なんかが言っても困るだけだよ…』

ガラガラ

「おい！A！」
急にショッピくんとの二人きりだった教室に入ってきたのは噂をすればなんとやら。コネシマくんだった。
『は、はい！？』
驚いて声がうまく出なかった。
「さっきから聞いてたけどお前、俺のこと好きなんか？」
直球かつドストレートに聞かれた。
いや、そういうとこか好きなんだけど今はやめてほしかった。

「…俺、邪魔っすよね。帰ります。」
むっとした顔でショッピくんが教室から出ていってしまった。
教室に居るのは私達二人だけになってしまったじゃないか。

『えと…あの…』
私がなかなか言えないでいるとコネシマくんが痺れを切らしたのか口を開く

「俺はAのこと好きなんやけど？その…付き合ってくれへん？」

と、爆弾発言をサラッと…でもないな。
コネシマくんの顔を見ると耳や首筋まで真っ赤に染っていた。
「ちょ…見んといてや…」
なんて可愛いこと言われて

『もちろんです！こちらこそよろしくお願いしますね』
と答えた。

こうやってコネシマくんとカレカノになれたのは毎日の相談に乗ってくれたショッピくんのおかげだなぁ…今度お礼しなきゃ！

後日談ですが、いつも窓からコネシマくんを見てたことは普通にバレていました。