【モブサイ】エクボといっしょ！ (ページ8)

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私だけの神様ページ8

原作最新話ネタバレ注意です
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最近エクボさんを見かけない。
そのかわり、エクボさんそっくりの色をした“神樹”がこの街で目立つようになった。
神樹は突然現れ、突然知らない宗教のものになったりと忙しく私は特に気にせず今日まで過ごしてきたのだが、つい先ほど親に“神樹キャンディー”なるものを渡されてから今神樹についてネットで調べるようになっていた。

どのサイトにも『サイコヘルメット教』だとかいう流行りの宗教の名前が出てくる。
最近私の親もそれにはまってしまったのだろうか。
「Aも早く食べなさい！神樹がかならず幸せをあたえてくださるわよ！」
キャンディーをじっと見つめると、渡された時に言われた親の言葉が何回もよみがえってくる。

でも、こんな怪しいもの口にできない。
私はキャンディーをゴミ箱に投げると、外を飛び出した。

神樹のある場所につくと、そこにいた近所のおばさんやクラスメイト達に声をかけられた。
「あぁ！Aちゃん！元気にしてた？そういや今日も神樹さまがご立派ねぇ」
「Aじゃない！Aも神樹を見に来たの？」
「そうそう、Aちゃんもお母さんからもらった飴食べたかい？」

何人もが一斉に、私に問いかける。
「えっと、あの」
皆どこかおかしい。常に不気味な笑顔でいるし、無理矢理にでもそっち側へいかそうとしているのかしつこく私につきまとう。

「ほらほら、うちらのクラスで神樹に興味ないのAだけでしょ？早くこっちにきなよ」
クラスメイトにそう言われた時だった。
なんだか意識が一瞬遠のきクラクラして、口が勝手に動いたのだ。

「やだ、皆何言ってるの。私も前からサイコヘルメット様の信者だったじゃない」

私を取り囲んでいた信者たちの目は一段と不気味な笑みを浮かべた。
………………
「エクボ様、私だけを見てください」
「エクボ様、もっと褒めて欲しいです」
「エクボ様、愛しています」
「エクボ様」

俺様は神になれなかった。
Aが信者と共にここに来て、ずっと俺様にこんな言葉を投げかけている。
ちがう、A。こんなつもりじゃなかったんだ。
これはお前じゃない、俺様が洗脳してしまった偽物のAだ。
一斉に信者たちが俺様を持ち上げる中、Aの声だけが胸に刺さっていく。

「すまない……、すまない、A」

後悔したってもう遅かった。
愛しくてたまらないAはもういなくなってしまったのだ。