【モブサイ】エクボといっしょ！ (ページ3)

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むすんでひらいてページ3

守衛エクボさんです
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「私ね、おおきくなったらエクボさんのお嫁さんになりたいの」

休日の昼下り。
Aは俺様の足の間にはさまりながらそう言った。
Aは小さいからすっぽり収められちまって可愛らしいもんだ。
その小さな小さな体で、大きな大きな希望が満ち溢れた瞳で俺様を見つめながら、Aは俺様がなんと答えるのか期待している。

「お嫁さん、かぁ」

優しくAの頭を撫でると彼女は「へへ」と、嬉しそうにはにかんだ。
まだ立派な大人なんて程遠いのに、ませた嬢ちゃんだ。

「でもなぁA、俺様は悪霊なんだぜ？それにお前は人間。……俺達が結ばれる、ってのはちょっと難しいことかもしれねぇなぁ」

Aの頭を撫でながら俺様は彼女に言った。
こいつがまだ子供だとか、それ以上に結ばれない理由がある。認めたくは無いが、現実は厳しいもんだ。

するとAは一瞬目を見開いてから、少し悲しそうな顔をした。
「そうだね。私はまだ子供だけど、それも知ってるよ」
まるで、雨に濡れた花みたいにしゅんとなっている。
……その様子を見ると、なんだか俺様まで寂しくなるじゃねぇか。

「でも、」
Aは俺様の手を、小さなその手でぎゅっと手を握って言った。
「……でも、例え周りがなんて言ったって、私はエクボさんと一緒にいるよ」

こんどは俺様が一瞬目を見開く。
そして、Aの手を強く握り返した。

「俺様もずっとお前といてやる。お前がいつか死んでしまったとしても、ずっと」

Aの顔がだんだん赤くそまり、優しくほほえむ。
おうおう、お前はその可愛い顔が一番だよ。ずっと、俺様の隣で笑顔でいればいい。
そんないとおしいAを、ぎゅっと抱きしめた。

「ちゃんと、幸せにしてやるからな」

Aの頬から、小さな雫がこぼれ落ちた。