世界の花嫁になるまで.

メンバーに. ページ18

大「帰りたくない。」
　『そんなこと言って仕方ないよ。飛行機の時間迫ってるじゃん。』


折角会えたのに、と腰に引っ付いている翔平さん。さっきまでグイグイの男の人だったのに今は愚図る子供みたいだ。


大「また会える？」
　『そんな難しいこと言わないでよ〜。』


日本とアメリカ。距離的にも２人のスケジュール的にもそう簡単に会えるものではない。


大「なんでそんな平気なの。」


ぶすっとした顔でこちらを睨みながら言う彼に少し笑いが出る。


　『だって離れてたって翔平さんは野球をしてるだけで浮気をするわけでもないし。好きなことに一生懸命な姿は日本からでも見れるでしょ？それだけで今は十分。』


少し前までこんな関係になると思わなかったし、関わることさえもないと思っていた。


大「俺より男らしいのやめて。」
　『ジャニーズなんで。』


そうだったわ、と笑う翔平さん。笑ってるけどどこか寂しそう。


大「なんなら今すぐ公表したい。」
　『事務所NGですね〜。』
大「公表してAは大谷翔平のだぞ〜、て自慢したい。」
　『欲望に忠実すぎない？』


ふふふ、と笑う私を愛おしそうに見つめてくる彼にひとつキスを落として帰り支度をするように声かける。


　『公表は出来ないけどふっかさんと康二にバレてるからメンバー皆にバレるのは時間の問題だし、寧ろもう知ってそうだよね。』
大「メンバーの皆さんだけでも挨拶しときたい。」


それは良いんだけど、ねぇ。


　『ちょっと煩そうな方々が数名いるけども。』
大「岩本さん目黒さん渡辺さん。」
　『把握してるのは笑う。』
大「だからこそちゃんと挨拶したい。」


会うのは時間的に無理だしそもそもメンバーが揃ってるとは思えないし、どうしようかな〜、と思ってるとタイミングよくかかってくる電話。


　『もしもし〜どうした〜？』
渡「今日オフだろ？夜食べに出ようぜ。」


翔太くんからの電話に横にいる翔平さんが目を輝かせている。


　『あ、うん。そうだね、』
渡「ハッキリしねぇな。なんかあった？」
　『何か、というか。』
大「貸して貸して〜。」
渡「は？お前男といんの？」


あ、翔太くんの声のトーンが下がった。


大「こんにちは。初めまして大谷翔平といいます。」
渡「ハァアアア！？」


スピーカーに変えて翔平さんに渡すと割れんばかりの翔太くんの驚きの声が聞こえてきて私は頭を抱えた。大谷翔平肝が座りすぎている件について。

反対.→←帰りたくない.

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