１０人目は仕事人

大仕事. ページ30

※この話からは、 × 目黒のお話でチラッと出てきた韓国のアーティストとの絡みが出てきます。ご都合主義の時系列無視なお話ですので、お得意では無い方は飛ばしてください。






〜数ヶ月前〜



これは今より少し前の話で、友人から久しぶりに連絡が来たかと思ったら、とある方に連絡先を教えてもいいかという内容だった。


　『夢か？』


スマホを持って棒立ちするくらい衝撃があった。すぐに友人から電話がかかってきて慌てて席を離れて通話に応じる。


　『もしもし？』
坂「久しぶり、今大丈夫？」


俳優坂口健太郎。数少ない俳優の友人で、まだアンチの多かった頃テレビ局の移動時に「ファンです。」と話しかけられて知り合った。年上だけど気にしないで、と優しい彼とぽつぽつ連絡を取り合って今に至る。


坂「急にごめんね。Aは韓国語喋れたよね？」
　『喋れるけど、え？あれ冗談じゃなくて？』


内容はBTSのJ-HOPEから坂口くんに、SUGAが私に連絡を取りたい、と話しがあったと。日本人の友人である坂口くんが私の連絡先を知らないかと聞かれて、坂口くんが私に連絡先を教えていいか聞いてきている、ということらしい。


坂「SnowManの曲を耳にして、Aの歌声に惚れたらしいよ。そこからAのこと調べて作詞作曲も出来るし韓国語も出来る、て知って一緒に仕事したくなったんだって。」
　『へ、へ〜。』


登場人物が壮大で他人事にしか思えない。そもそも世界的に有名な海外アーティストにSnowManの曲を聞いてもらえてるなんて有難いことなのに、その中で私の声に惚れた、て。


　『ドッキリ？』
坂「違うよ！も〜とりあえず嫌じゃなければ教えてもいい？Aにとっても悪い話では無いと思うんだけど。」
　『あ、うん。大丈夫。』


じゃあ連絡きたらよろしくね、と言って電話は切れた。


　『まじで？』


ほけ〜っとしながら楽屋に戻ると皆に心配された。


深「A？どうした？」
阿「なんか別世界に旅立ってない？」


あ、うん大丈夫、と空返事して頭の中で整理してるとすぐにスマホがまた電話を知らせる。


　『ひぇっ！ドッキリやないんかーい！』
向「下手くそな関西弁やな。」


失礼な康二を放って震える手でスマホをタップする。
えっと、韓国語韓国語、


　『여보세요？(もしもし？)』


急に韓国語話し出した私に楽屋がシーンっとした。

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