内緒 ページ7
朝。
秋らしい澄んだ空気と、
カーテンから漏れる太陽の光で
俺は夢から覚めた。
隣には、好きな人。俺の恋人。
いつもは別々の部屋で寝ているけれど、
週1回、一緒に寝る日を作ろうねって決めて、
昨日はAが俺の部屋に来た。
何もない日もあれば、何か、ある日もある。
あ、詳しい事は割愛で。
昨日はお互い疲れていたから、
同じベッドに入って
他愛もない話をしているうちに、
眠っていたみたいだった。
もぞもぞと体を動かして、Aと向き合うと
まだ冴えきらない思考のまま、
ぼんやりと見つめてみる。
くっついて寝るように誘ったわけでも、
まして腕枕をしてあげていたわけでもないのに
俺とAの距離はすごく近い。
布団の中の足も、ちょっと動かせば
絡ませられる距離にある。
こっちを向いて、気持ち良さそうに眠るA。
顔の横には、赤ちゃんみたいに
柔らかく丸められた手があった。
どっかでみたな、
……ぁ、ぽんすか。
あの時、小さな手が俺のゆびを きゅっ と
握った感覚に、強烈な父性本能が芽生えたのを
覚えている。
あれって、やっぱり赤ちゃんだけなんかな。
ふと、思い立って。
そぉっとAの手の中に、ゆびを入れてみる。
俺よりひと回り小さい手は、寝ているからか
いつもよりあたたかい。
かわいい。
数分、そのままにしていたけれど、
何も起こらず。
だけど、例え握り返しなんかなくても
このままで充分すぎるくらいかわいくて、
愛おしくて、幸せだな、なんて。
考えていたのに。
「………、んー、」
くぐもった声が聞こえた瞬間、
きゅぅっと力がはいったAの手。
『……ぇ、』
やばい。
完全に、なめてた。
破壊力抜群。
心臓が、苦しくなるほど愛おしくなって、
どうしようもない。
このまま向かいあっていたら
気が狂いそうで。
急いで仰向けになって、
繋がれていない方の手で顔を隠した。
だめ、だめ。やっちゃ、だめだったんだ。
こんなの、かわいすぎ。…かわいすぎ！
『これは…、反則だわ、』
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雫(プロフ) - 秋ノ宮紅音さん» ご指摘いただき、ありがとうございます！！すぐに対応いたします！ (2017年11月27日 16時) (
レス) id: b757b26083 (このIDを非表示/違反報告)
秋ノ宮紅音(プロフ) - 実在する人物なので、オリジナルフラグを外した方がいいですよ！違反報告されます。 (2017年11月27日 16時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - うわわ、すごく素敵なお話ですね！更新待ってます！！ (2017年10月21日 23時) (レス) id: 77c9f3f671 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - すごくおもしろいですね！次のお話もたのしみにしてます！ (2017年9月17日 20時) (レス) id: 59969ce0cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2017年9月1日 9時
