秋元詩郎に弱みを握られる女の子の話

18話 ページ18

「うぅ……最悪だ…」

何とか家に帰ったAは玄関に座り込む｡


(ちょっとは良い人かなって思ったのに…全然そんな事無かった…しかも暇潰しで扱われてたなんて……)


「唯に電話しよ…スマホスマホ…」

Aはカバンを開け、スマホを探すが…


「あれ……」






いくら探しても見つかる事はなかった




「嘘…！何で無いの…⁉︎カバンに入れてたはずなのに…！」


間違いなくAはカバンに携帯を入れていたし、
カバンも肌身離さず持っていた｡

「もしかして落とした…⁉︎でも、財布は取り出したけど、ケータイは取り出してないし…」


Aははっと気づく｡

「まさか…秋元さんが…いやでも…まさか…ね」

仮に秋元が盗んだとしても、いつどのタイミングで盗んだ？


「でももし本当に秋元さんが盗ったなら、今日…だよね…？」


警察に言う？今日行った場所を探す？

色々考えていると、












ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ…ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ…


家の固定電話が鳴る｡





「え…誰…？」


今の時代ほとんどの人がスマホを持っている、
固定電話を使う事は少ないだろう

だが、今その固定電話が鳴っているのだ｡


セールス？いや、もしかしたらAのスマホが見つかった連絡かも知れない、


Aはその可能性を考え、受話器を取る｡








「はい…」



電話の相手は聞き覚えのある声をしていた。














『あ、Aちゃん良かった出てくれて、出てくれたって事は今家だよね？』



聞き覚えのあるなんてレベルじゃ無い、今日も聞いた声、間違いなく秋元だった｡






「…え、なんで…」



『あはは、AちゃんのケータイでAちゃん家の電話番号分かったから掛けて見たんだ〜
てかケータイにロックくらい掛けときなよ。』






信じたく無い答えが正解してしまった｡







『Aちゃん』


名前を呼ばれる｡




『コレ、返して欲しいでしょ？』


「っ…返して欲しいです｡」


『じゃ今すぐ外出てきて』


そう言うと電話は切られる｡

(外に…？)

Aはまさかと思い窓のカーテンを少しだけ開ける｡






三階からでも分かる、外に派手な髪色をした男が立っている｡



「嘘でしょ…いつからいたの？…」


いつから居たのだろうか、
Aは行きたくなかった、だが携帯は無くては困る。

家族や友達、バイト先の先輩や店長との連絡が取れなくなる。

何よりめんどくさがってパスワードを設定しなかった、自分を殴りたい｡

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