秋元詩郎に弱みを握られる女の子の話

16話　 ページ16

「ん…む…⁉︎」


秋元はAの唇を軽く吸ったり舐めたりして、
どうにかAの口を開けさせようとする｡



Aはその行動がわかっているのか、絶対に口を開けない。

だが秋元は空いた手でAの鼻をつまむ｡

最初こそは耐えたが、徐々に息苦しくなり

「っは……」

息を吸おうと口を開ける｡

もちろん秋元はそれを見逃さない｡

次にAが感じたのは生温かい感触｡

言うまでもなく、秋元の舌だった｡

秋元は探す様に口内の色んな場所を舐める｡

やがて舌と舌が触れ合えば互いを絡め合わせる｡




「っ……ん……ふ…」

(頭が……クラクラする…)




(Aちゃん、初々しくてかわいー♡)



口を離したと思えば今度は別の角度で攻めてくる秋元｡



「んぅ…は……」



意識が飛びそうだった、うっすら目を開けると、
Aは目の前の秋元に目を疑った、

秋元は目を瞑るどころか、瞬きもせずジーっとAの目を見つめている。


それにゾッとしたAはわずかな意識で秋元の舌をできる限り強く噛んだ｡

流石の秋元もそれに驚いたのか、Aから離れ口元を抑える｡



『っ……痛……って……』


「……あっ……ごっごめんなさ……あの、私……帰ります……今日の食事代、ここに置いておきます……」

Aは財布から札を数枚ベットに置き

部屋から逃げる様に飛び出した。













残された秋元はというと、ベットの上でAが
置いていった金を見つめていた。


『あ〜あ、やっぱり正直に言っといた方が良かったかな〜』

口から垂れてくる血を拭い笑う秋元


そしてポケットから取り出したスマホを見つめ

『まぁ良いや、どうせ「また」すぐ会えるし』




ホテルから出て行き、ある場所に向かう｡

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