【鬼滅の刃】純白少女と水柱 (ページ19)

今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:6,491 hit

一章『梟の告げる夜』捌ページ19

情報大放出回。

--------------------
｢ここで行われるパーティーの余興に舞踏があるらしいんだよ。参加者は飯を食いながらそれを見るんだと・・・｣

二人は大金を支払いパーティー会場に足を踏み入れる。
そのパーティー会場は和風と洋風が混ざりあったような建物で、文明開化の足音が聞こえてくるようだった。

中もただただ広く、確かに庶民では入れないような状態だった。

人の耳に入らないよう誰もいない端の方に行き、呉羽と｢協力するぜ｣と言った男性の二人で話す。

｢私はその舞踏に何かあると踏んでいますが、食べ物に何か仕掛けてあるという可能性も無きにしも非ず・・・｣
｢ぐうぇい！？変なこと言うなよ姉ちゃん！食いたく無くなったじゃねえか！｣

既に男性はこの会場に用意された料理を食べていたのだが、というか現在進行形で食べているのだが、依存性は見られない。
試しに呉羽も食べてみたが特に何とも思わなかった。

可能性は極めて低いが、悪戯心で意地悪しただけだ。呉羽が。

｢んで、あの御方っつうのは舞踏を披露する奴だって事も教えてくれた。最初はなんとも思わねえんだけど、途中からあの御方以外何も見れなくなるんだと｣

(鬼血術の類か何か──？いや、断定するのは怖い。もう少し確かな情報を・・・)

｢落ち着いてきた部下にはこう言う奴もいた。『今思えば恐ろしいあの舞が、あの時はとても美しいと思えたんだ』ってな。そんで顔色が悪くなるのは決まって会場から出た後だ｣

男性は周りを気にしながら話を進める。

｢・・・話は飛ぶんだが、『梟池』って知ってるか？最近死体がよく見つかる・・・｣
｢はい、知っています｣
｢あそこで殺される奴らの共通点を別件で調べてたんだけどよ、何と全員このパーティーに来たことがある奴らばっかなんだよ｣
｢・・・｣

調べることをこれまた増やしてくれちゃって・・・と呉羽は苦々しく思う。

｢朝になるとあの御方とやらは姿を隠す。それと同時にパーティーに参加していた奴らは帰るんだと｣
｢はて、何時まででもいていいんじゃ・・・？｣
｢あの御方がいないのならば意味がないっつうとんでも思考。夜になればもっかい舞い始めるっつうのにな。入場料金参加料金が高いんだからそこで待ってればいいのにな。また高い金払って行くなら｣

(鬼だ、間違いない)

人の思考を操るのか、それとも他に何かるのか。
何にせよろくなものじゃない──と呉羽は内心毒づくのだった。