【鬼滅の刃】純白少女と水柱 (ページ16)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:6,489 hit

一章『梟の告げる夜』陸ページ16

隊服のまま赴くことにした呉羽。
さすがに刀を所持していては目立つのであたかも琴を持っているように包んで持っていく事にした。

ぶっちゃけお金が全てなのならば、隊服を着ていても問題ないだろう、という呉羽の考えだった。

鬼殺隊特有の人並外れた人外のような身体能力で実家に昼間の内に一旦帰り入るのに必要な料金を調達し、帰りもまた人外のような身体能力でひとっ走り。
鬼殺隊本部に連絡すれば必要経費として支払ってくれそうだが、時間も無いのでやめておいた。

祖父は人外じみた身体能力をフルに使い帰ってきた呉羽を見て｢人生どう転ぶか分からないのう｣と呟いた。

(ドレスの人も着物の人もパーティーには出席しているようだし、大丈夫だよね)

日輪刀を折り鶴の模様が描かれた風呂敷に包み、夜を待つ。
そもそもここに来たのは昼過ぎだったので準備が終わると既に日は落ちていたが。

どうやら退場はいつでも出来るようだ。
そしてパーティーはずっとやっていて、入場は日が落ちてから。
嫌な予感がぷんぷんする案件であった。

(面倒な)

この街で一番豪華で大きな洋館。
庭もまた細部まで手入れが行き届いており、この洋館の持ち主は相当なお金持ちだということが伺える。
パーティー会場として使われるのだから汚い状態ではいけないという理由もあるのだろうが。

｢ホーホー｣

パーティー会場に入ろうとする人間は大量にいて、ほとんどが金持ちだということが一目で分かるほどの人物ばかり。
入場口にはいかにも強そうな男性が二人ほど立っていて、入場料金の確認をしていた。

(鬼殺隊ほど強くはなさそうね。それよりも・・・)

一般庶民では稼ぐのに何十年要するか分からないほどの大金を出した女がいた。
けれど男二人が｢この程度で〝あの御方〟の舞踊を見られると思うのか｣と一蹴し追い返した。

｢あれほどの大金を出しても入れないの・・・！？｣
｢あったり前だろ。〝あの御方〟の舞踊はそれこそ世界の宝っていう言葉が良く似合うんだぜ？｣
｢え・・・｣

呉羽は動揺のあまり声に出していた。
そして後ろに並んでいた男性がその声を拾ったのだ。

｢・・・あんた、鬼殺隊だろ。〝あの御方〟って、鬼なのか？｣