みんなの塗くんの子育て事件簿！？

そのにじゅうろく。 ページ27

「あっ、ここじゃないの･･･？」

それは１階の１番奥の部屋、ご丁寧に布で覆われた窓。

中の様子は分からないけど、他の部屋には人の気配は感じられなかったから、おそらくここ。

２階もあるけど、誰も使ってないぼろアパートで、あえて２階は使わないだろう。

「しかし、人がいなさすぎるな･･･。」

確かに伊野ちゃんの言う通り、アパートの回りにいるって聞いてた見張りも、部屋の前にも誰もいない。

「怪しいな、何か企んでるのか？」

「どうする？」

「しっ!!車の音だ。」

こっそりと表に回ると、いかにも怪しい黒塗りの車。

その中から数人の男が出てきて、例の部屋に向かう。

ドンドンドンドン

「出てこいよ、おらぁ!!いるのは、分かってんだぞ。」

「反応ないですね。出てるんでしょうか？」

「あいつらに、行く場所なんてないだろ。組をかき回した上に、ガキを連れ去って。めんどくせぇ。」

「とりあえず、戻りますか。」

「ちっ。」

相当苛立ってるみたいで、ドアを荒々しく蹴って帰って行った。

「結構、面倒な事になってるみたいだな。」

「時間がないな･･･。仕方ない、突入してみるか。」

覚悟を決めて、玄関へ回る。正面から突破だ。

「ふふっ、ワクワクしてきた。」

ギラギラした伊野ちゃんも、悪くはないな(笑)

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