みんなの塗くんの子育て事件簿！？

そのじゅうきゅう。 ページ20

「･･･ＵＳＢ？何で、たくあんの中に？」

たくあんの中から出てきたのは、綿で包まれたＵＳＢ。

パソコンに繋いでデータを取り込んでみると、そこには何かの取引先リスト。

もしかして、あいつらはこれを探してた？

圭人の両親がこれを持ち出したのが発覚して、でも当の本人たちはどこにいるか分からない。

手紙にあった家が荒らされてたっていうのも、これを探しての事だろう。

コンコン

その時、病室のドアをノックされた。

「はい？」

そう返すと、入って来たふたりの青年。

「あの･･･、どちら様で？」

「圭人の兄の宏太です。」

「同じく、光です。」

「あっ･･･。」

「この度はご迷惑をお掛けして、本当にすみません。実は昨日、光と揃って圭人の夢を見たんです。圭人に何かあったんじゃないかって、胸騒ぎがして。」

「いてもたってもいられなくて、サンドグラスに電話したんです。」

俺は何て言ったらいいのか、分からなかった。だって、俺は･･･。

「塗さん、ありがとうございます。」

急にそんな事を言われて、びっくりして顔を上げる。

「な、何でお礼なんて･･･。サンドグラスに電話したんだったら、聞いたでしょ？俺、圭人の事守ってやれなかったのに。」

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