氷点下の私と君。2 【12歳。】

スキ　貴女side ページ21

女の子「お姉ちゃんばいばーい」


『ばいばい。』


男の子「明日もいる？」


『いるよ。』


紲「僕もいるよ。」


女の子「じゃあねー」


母「今日もありがとうね。」


紲「いえいえ。僕たちも暇なので。」









小さい子を見送る。



紲「いやぁ…元気だねー」


『はは……』


……疲れた…


『じゃあ私部屋帰るけど…』


紲「ねえねえ、Aさんって4階？」


『え、うん』


紲「じゃあ部屋教えてほしいな。」


『いいけど…』


紲「やった！！」


『じゃあ…こっち。』


部屋に向かって歩き出す。



紲「…なんかすごくテンション下がってない？」


あ、素は知らないか。


『素がこれ。小さい子にこれじゃあよくないだろうし。』


紲「へぇ…」


エレベーターに入り、4階ボタンを押した。


紲「あのさ、Aさんって…」


『……何？』


紲「彼氏とか……いるの？」


ぐい、と顔を近づけてくる。


甘えたような可愛らしい顔。


……別に私ショタコンじゃないしな…


紲「彼氏じゃなくても……好きな人とか……」









一瞬頭に皆見がよぎる。






……ダメだ。今日会ったばっかの子にプライベート情報はいいたくない。





顔に出すな、私。






『……いないなぁ…』





すると、顔が離れた。





と同時に4階に着き、エレベーターのドアが開いた。





紲「…へぇ……意外かも。


あ、でどっち？」


『……あ、こっち。』




……なんだか女子っぽい子だな。



紲「あ、一応僕ここの部屋。」



………え？



『私こっち。』




紲「えっ……隣！？」



『そうだね。』



紲「じゃあ時々行ってもいい？」



『いいよ。』




紲「ありがと。じゃあまた明日ね！」


『うん。じゃあ。』

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