ほくとくんは彼女に溺愛中２

_62 ページ13

　
　
　
　
　
＿＿＿＿＿＿2012年



榮倉奈々さん主演のドラマの出演が決まった。



「 戸田トシオ役の松村北斗です。よろしくお願いします。」



『 佐伯江衣花役のAAです。よろしくお願いします。』



ドラマの顔合わせで、初めて彼と出会った。





人見知りな私は自分から誰かに声を掛けることが出来ず、撮影現場でも1人で台本を読んでいた。



中条「 隣、座っていい？ 」


『 え、あ、うん、』


中条「 あっごめん、邪魔かな、」


『 ううん！大丈夫。』


中条「 私、ドラマ初めてで。緊張しすぎて口からなんか出てきそう……… 」


『 ふはっ、私も緊張してる。』


中条「 そーなの？ドラマいっぱい出てるから慣れてるのかなって、」




この時、あやみが話し掛けてくれたのがきっかけで私たちは今でも仲が良い。






撮影が始まって1ヶ月が経った頃、控え室に携帯を忘れてしまったのを思い出して1人で戻って探していた。




「 なにしてんの？ 」


『 あ、松村くん………携帯忘れちゃって。ここに置いてたと思うんだけど……… 』


「 ……………………。」



無愛想な彼はジャニーズらしくて、撮影以外で会話したことはほとんどなかった。



「 これ？ 」



彼の方を見ると私の携帯を持っていて



『 それ！よかったー、、』


「 椅子の隙間から落ちたんだね、見つかってよかった。」


『 ……………ありがとう。』


「 いーえ。明日も撮影がんばろーね。」



そう言って去って行った彼の背中を見て、無愛想だけど優しい人なのかなって思った。
　

_63→←_61

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す