ほくとくんは彼女に溺愛中

_24 - hokuto side - ページ25

　
　
　
　
　
いつもなら絶対にさせてくれない送り迎えをあっさり受け入れてくれたのは、きっと喧嘩したから。


朝からテレビ局まで送るなんてリスク高すぎるのは分かってるんだけど………





『 準備出来た〜 』


「 ん。先に駐車場行ってる。」





先に地下駐車場に下りて待っていればすぐに来て、後部座席のドアを開けてあげる。



「 助手席にする？」


『 ばーか。早く行って下さい。』


「 なんかマネージャーみたい。」



ふふっと笑う彼女はスマホを取り出しゲームを始めたっぽい。



「 ちょっと、」


『 んー？』


「 人の車でゲームすんな。」


『 なんで、移動中くらいゲームさせてよ、』


「 だから俺はマネージャーかって。」


『 もーう、うるさいなぁ。』



そう言いながらもすぐにスマホをバッグにしまい、バックミラー越しに俺を見る彼女。



「 なに、」


『 なにってなに。ゲームやめたからすることないんだもん。』


「 そんなに見られてたら運転しづらい。」


『 やっぱりあれだね………たまには北斗の助手席乗りたいなぁ…… 』


「 ………今度休み合わせて出掛けよっか。」




うーんと悩む彼女はもうずっと俺の助手席には乗っていない。


このご時世なのもあるけど、人気絶頂期の彼女はいつ記者に張られているか分からないから。


それで俺以外と撮られてたら元も子もないんだけど



『 休み合わなくたって会えるからいーんだけどね。』



新しいドラマが始まって、俺も延期になっていたツアーが再開するからしばらく休みは合わなそう。



Aだってどっか行きたいよな………




「 はい。着いた。」


『 ありがと、』


「 今日俺も遅いと思うけど、先に終わったら家来てていいから。」


『 ん。連絡する 』


「 頑張って、」


『 北斗もね。』




テレビ局に入って行く彼女を見届けて、自分の家に向かった。
　

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