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『ねえほくと』
「ん?なあに」
『萌音ちゃんのライブ行ったって?』
「うん」
『ふうん』
「上白石さんに聞いた?」
『きょもちゃん』
「…………そう」
『最近仲良いよね』
「仲良いってか、うん、話しやすいなあって」
『よかったね』
上白石さんのライブに行ったら京本に会った。
行くことはAに事前に言ってなかった。
だって言う暇なかったし。
多分それで機嫌悪いのかなあ、なんて。
………そんなのどうでもいい。
帰ってきて話そうとした瞬間、彼女から出たその話題と京本の名前。
「……良かったねってなに」
『ん?仲良い人出来て良かったねって。萌音ちゃんと仲良くなりたそうだったもんね』
「別にそんなこと、」
『ふたり空気感似てるし?夫婦役やってるしね、お似合いだよねってみんな言ってるし』
「みんなってなによ」
『…………さあ』
俺に妬いてるのかなんなのか知らないけど、あなたはどうなのよ。
なんで京本に聞いてんの?会ったの?連絡取ってんの?
「A」
『なに?』
「…………京本と会ったの?」
『きょもちゃん?会ってないけど』
「じゃあ連絡来たの?」
『うん?ほくとに会ったよーって』
「……ふうん」
『え。なに。てか今わたしが不機嫌なターン』
「なんで?やきもち?」
『は、べつに、』
「俺が上白石さんと仲良くなったから?これから番宣でも一緒になること多いしね。確かにみんなにお似合いって言われてるよね」
別に京本相手に妬いてるわけじゃ…ない。
だけどなんかモヤモヤして、意地悪い言葉が次から次へと出てしまう俺の顔を睨むように見つめる彼女。
『萌音ちゃんと仲良くなったことでぶーぶー言ってるわけじゃないからわたし』
「へ?」
『いや…うん、それも一理あるけど。なんか、ほくとがデレデレしてるのが目に浮かぶっていうか、うん』
「はい?してませんよ」
『絶対してる』
「してないってば」
『だってライブから帰ってきたとき鼻の下伸びてた』
「え?は?!伸びてないし!」
『わたしさあ…今回多分めっちゃしんどい』
「今回?」
『ラブストーリーの方がまだ割り切れたっていうか。まだ作品見てないからあれだけどさ?原作読んだことあるし…恋愛関係じゃない特別な関係…ちょっとしんどいなあって』
俺の頭の中でハテナが飛んでいた。
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作者名:るる | 作成日時:2023年8月10日 2時