_160 - hikaru side - ページ11
歌舞伎の千穐楽を迎えた次の日
朝目が覚めると彼女の姿は無くて、目を擦りながらリビングに行くとキッチンからひょこっと顔が出てくる。
『あっおはよ〜』
「ん…おはよ、今日早いね」
『ドラマの衣装合わせあるから早めに入んないとならなくて』
「あ〜、、今日だっけ、」
今日から玉森くんと一緒か…と、朝からテンションが下がっている俺を見てふふっと笑う彼女。
「…なんで笑うの」
『分かりやすくへこむから』
「べつに」
『ねえ照、』
パタパタと小走りで寝室に行ったと思えばすぐに戻ってきて、見覚えのある紙袋を差し出す彼女。
「ん？なにこれ」
『いいから開けてみてっ』
紙袋の中にはまた見覚えのある小さな箱。
「これ、」
中にはピアスが入っていて
見覚えがあったのは、去年彼女から貰った誕生日プレゼントと同じブランドの紙袋だったからだった。
『照。お誕生日おめでとう』
「…っ、」
『え、なに、どうしたの？！』
「誕生日…忘れられてんのかと、思って、」
『え、は、そんなわけないでしょ？』
朝から泣かないでよもう、と、エプロンの裾で俺の涙を拭う彼女をぎゅうっと力強く抱き締める。
『私、決めたの』
「…なに、を？」
『照の誕生日プレゼント。毎年ピアスにしようと思う』
毎年考えるのが面倒とかそういうんじゃなくて、その場の雰囲気や仕事でピアスを変える俺を見てその“常に”を私で埋めたい、と話す彼女が堪らなく愛おしくて、腕の力を更に強めれば苦しそうな声にハッとする。
「あ、ごめん大丈夫？」
『…肋折れるかと思った』
むすっと膨れる彼女の顔を両手で包んでキスを落とす。
「めっちゃ嬉しい」
『……よかったあ。去年と同じかよって言われたらどうしようかと思った』
「んなこと言うわけないじゃん。ありがと」
時間やばっ、と、俺の腕をすり抜けて準備をする彼女の耳が赤くなっていたのを見逃さなかった俺は、20代最後の年も最愛の人と過ごせるんだと思って胸が鳴った。
『じゃあ行ってくるね！』
「A、」
ん？と、玄関で振り返る彼女の額にちゅっとキスをして彼女を見送った。
仕事を終えて家に帰れば
彼女と手料理に出迎えられて、人生で一度きりの29歳の年がスタートした。
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り(プロフ) - 作者様初めまして！素敵な物語を書いていただきありがとうございます☺️続きが気になりすぎて1から一気読みしました、実際の照くんもこんな感じなのかって妄想が膨らみました🤭更新停止中とのことなのでゆっくりでいいので続き待ってます！ (11月25日 19時) (
レス) @page17 id: 3fdd874ee5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - るるさん» こちらも返信遅くなりすみません💧いつでも待ってます!!もうこちらは更新する予ないですか??焦らせてしまったらすみません💦 (8月10日 7時) (レス) id: 20e95c7407 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ゆいさん» お返事遅くなってしまいすみません🙇♀️コメントありがとうございます！！何周も読んでくださってるなんて嬉しすぎます😭😭😭💓亀更新ですがこれからもよろしくお願いいたします🙏💓💓 (5月25日 13時) (レス) id: f19a959cc8 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ありささん» お返事おそくなってしまいすみません🙇♀️キャッチミーのお話如何でしたでしょうか🥰🫶彼女ちゃんに嫉妬されてにやついてるひーくん想像したらもう🤤💛笑 (5月25日 13時) (レス) id: f19a959cc8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 初コメ失礼します。このお話だいすきで何周もしてしまいます！笑更新楽しみに待っています🎶 (2023年3月16日 16時) (レス) id: 20e95c7407 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るる
| 作成日時：2022年4月6日 20時
