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「 Aは俺が守るから！ひとりになるな！」
記憶のどこかで少年が私に向かって叫んでいた。
『 ………辰哉。』
「 え？」
顔を上げると、見慣れた顔が泣きながら私を見た。
『 ……なんで泣いてんのよ。』
「 なんでって…お前、今、」
『 辰哉。』
「 …っ、思い、出したの？」
『 ………幼稚園の頃…4歳だったかな。私がお祭りで迷子になったの覚えてる？』
「 え？……あ、うん、みんなでめちゃくちゃ探し回ったっけ。」
『 あの時、私のこと見つけた辰哉が言ったんだよね。“ 俺がAを守るから1人になるな ” って。それが私の中の最初の辰哉の記憶。』
「 あぁ……言ったかも。」
『 今も同じこと言ったよね。』
「 え、うわぁ…恥ずかし。ガキの頃と同じこと言ったの、俺？」
『 今も昔も、何も変わってないよね。』
「 俺は変わってねぇよ。」
『 私は……変わったのかもしれない。』
「 え？」
『 辰哉が傍に居るなんて当たり前だと思ってた。困ったらいつも助けてくれて、お兄ちゃんよりお兄ちゃんみたいで。でも……辰哉のこと忘れてる間、心の中が真っ暗になったみたいで。……説明するの難しいんだけど、明かりのない部屋でずっと手探りで歩き回ってる感じで。』
「 ……よく思い出したな。」
『 ぱぁって明るくなったの。あの頃の辰哉が居て、はっとしたら……ブッサイクな顔して泣いてる辰哉が居た。』
「 ぶっ飛ばすぞお前。」
『 ふはっ、冗談。』
「 ……よかった。まじでよかった…もうお前の中から消えたままなんじゃないかって考えたらすげぇ怖かった。」
『 ごめんね辰哉。』
「 死んでも許さねぇわ。」
『 私、辰哉のこと好きになってた。』
気が付けば泣き止んでいた辰哉は目をまん丸にして。
「 へ？」
『 何その間抜けな顔と声。』
「 いや、だってお前、」
『 いつも近くに居て、私のことたくさん笑わせてくれて、一緒に泣いてくれて。辰哉のこと好きになってたんだなって…気付くのに時間かかった。』
「 かかり過ぎだろ、バカ。」
『 バカとは何よ。』
「 バカだろ。こっちは20年以上待ってんだよ。」
私の両頬をむにぃっと引っ張って「かあい」と笑う辰哉は、昔から何も変わっていないんだ。
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るる(プロフ) - スノ姫さん» コメントありがとうございます！書いてる作者も切ない気持ちでいっぱいです(；；)今後の展開も楽しみにしていてください！！！ (2021年9月18日 9時) (
レス) id: f19a959cc8 (このIDを非表示/違反報告)
スノ姫 - 切ない気持ちにもなりますが、良かったです。しょっぴーとふっかが主人公の事が大好きのようで、マネージャの妹だからってのもあるかも知れないけど、特にふっかにしてはね…続き待ってます。 (2021年9月15日 3時) (レス) id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ゆめさん» ありがとうございます(；；)亀更新ですが楽しんで頂ける展開を用意しているので待っていてください♪ (2021年9月1日 2時) (レス) id: f19a959cc8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 切ない気持ちでいっぱいになりました。続きが気になります！楽しみに待ってます!! (2021年8月29日 18時) (レス) id: ce02170ebe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るる
| 作成日時：2021年8月17日 12時
