椿 (ページ16)

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それからは学校で流星といる時間が多くなった。というかほとんど一緒にいた。クラスメイトからはお似合いやねーとか言われるからその度、付き合ってないから！と、私が弁解している。流星はと言うとふにゃふにゃ笑って、せやろーなんて返している。まったく、ふざけるなよ。

｢なぁ、A今日これから暇？｣
｢今日？暇だよ｣
｢……夕飯、一緒に食わへん？｣

久しぶりの流星の誘いに二つ返事で承諾すると、感情表現が素直な流星は嬉しそうに笑うからこっちまで嬉しくなってしまう。それに、ちょうど大友から今日は送れない、と連絡が来ていた。

｢今日なー、俺な、カレー食べたい！｣
｢はいはい。落ち着いて｣
｢やって、久しぶりやん。｣

流星は大型犬のように見える。幻覚だが確かに尻尾と耳が見える時がある。これほんと。ぶんぶん尻尾振ってるもん。そんなことを考えていると、はよいこ！と流星に腕を引っ張られ教室を出た。

×

｢流星の自転車乗るのも久しぶりだぁ｣
｢せやんなぁ｣
｢てか流星香水なに使ってるの？｣
｢あー、、なんやったっけ。望にもらったやつ、えーっと｣

そのまましばらく考えている流星。まぁ、家かえったら見せるわ。と、結局思い出せなかったらしい。あほだなぁ。

｢Aは香水なに使ってるん？｣
｢これねー、椿の香りのなの！椿好きなんだ｣
｢へー、椿好きなんや。ええにおいするなー思っててん｣
｢そいや、この前椿めっちゃ咲いてるとこ見つけてん。連れてったる｣
｢やった！たのしみっ｣