歯医者さんと勝己くん【爆豪勝己】 (ページ7)

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6. 綺麗な歯ページ7

「は？！」

『そう！だから爆豪くんの歯！！！』

「それが何なの？！」

『めっっっちゃ綺麗！！！！！！！』

「はぁ？！？」

言いたいことが言えてスッキリした私の左耳に「今言うことかよ…」と呆れた声が聞こえてくるが、とりあえず満足した私は爆豪くんを全力で応援する。

『頑張れ…！頑張れ！！』

するとカメラは切り替わってゴールが映される。ここまで来ると本当に誰が1位でもおかしくない。

《雄英体育祭1年ステージ！！序盤の展開からこの結末を誰が予想できたぁ！？今、1番にスタジアムに帰ってきたその男ぉ！》

　《緑谷出久の存在をぉぉ！！！！》

姿を表した彼に会場は歓声の嵐。

私も久々に感じるこの胸の高鳴りにテンションが上がっていた。

『うぁぁぁあ！！爆豪くん3位か〜！！惜しかったなぁ〜。でも良い戦いだったね！』

「アンタからのしつこい電話とスタ連さえなければもっと良かったっつーの！」

かなりご立腹の様子の瑠衣に私は後ろにハートマークをつけて謝ると、もういいよ…と渋々というような感じで許してくれた。

「…それで？Aがなんで雄英の体育祭みてんの？」

『いや〜、たまたまテレビつけてたらさぁ意外に面白くてさー。まあそれはどうでもよくて、問題は爆豪くんだよ！！！ねぇ見たぁ？綺麗な歯並びにあの犬歯！あの綺麗な色の歯茎！』

「あーあー分かった分かった。落ち着いてくれるかな。てかアンタ酔ってる？」

思い出すだけでもうゾクゾクしてしまう。

肉食動物のような強そうで一つ一つが立派で真っ直ぐで真っ白な歯たち……。切実に触りたい。逆にお金払うからうちのクリニックに来て欲しいとさえ思う。

職業柄今まで沢山の歯を見てきて、もちろん綺麗な歯の人だってそれなりに出会ってきた。しかし彼は、このAAが今まで見てきた“綺麗な歯”というものをあの一瞬で易々と超えて圧倒的にトップに君臨してしまった。

歯並びから歯の形、大きさや色。どこを取っても完璧で非の打ち所がない。

レベルが違う。