歯医者さんと勝己くん【爆豪勝己】 (ページ2)

今日:11 hit、昨日:17 hit、合計:3,578 hit

1. 10時27分ページ2

『……んん。』

カーテンの隙間から溢れる光は寝起きの目に入ってきて目が覚める。あまりにも眩しくて、私は布団を頭までかぶった。

頭いてぇ…。流石に調子乗りすぎたか…。

体を縮こませながら、昨夜1人で開けた焼酎に後悔する。

完全に調子乗った。だるい。頭痛い。…仕事やばいな。

『え、てか今何時？！』

バッ！と布団を蹴り上げて、飛び起きる。そして、爆速でスマホを確認…

『あれ、無い。』

とりあえず、暗いのでカーテンを高速で開けて、周りに落ちてないかチェック。布団に埋もれてないかもチェック。

もー、こういう時に限ってさぁ…。

とりあえず手当たり次第周辺の物をひっくり返していく。

『あった！』

枕の下に隠れていたスマホの電源をつける。

『………………………………ん？』

スマホが示す時間がこの世界線のものならば、現在10時27分らしい。

その数字があまりにもショッキングで私は硬直してしまった。

…え、は？

頼むから嘘であれ。夢であれ。

そんな事を願っても、現実は現実なのでどうしようもない。

え、なんで目覚ましは？鳴った？いや、この期に及んでそんな事はどうでもいいのだ。

目覚ましが仕事を果たしたろうがなかろうが私の遅刻は確定なのだから。

『やらかした〜〜〜〜！』

とりあえずトイレに全力でダッシュ。

9時出勤で、10時半起床ってヤバすぎる。マジでごめんなさい院長。今日、最初の予約何時からだっけな…。

トイレットペーパーを猛スピードで引っ張りながら頭を回転させる。

確か木村さんが11時に予約だったか？いや、高橋さんとこの娘さんが習い事前に来るとか言って10時頃だったかも…。うわ、そしたらもう過ぎてるじゃん。しかも今日矯正器具取り換える結構大変な日だったような…。あぁ誰か代わりにやってくれてるんだろうな。きっと先輩だろうな…。ほんと申し訳なさすぎる。

なかなかのタイムでトイレを出て、手を洗い、浮腫んだ顔をゴシゴシと洗う。そのまま、丁寧かつスピーディに歯を磨いていく。

あーあ、ひっどい顔。大の大人として、いち社会人としてあり得ないよね。二日酔いで寝坊とか…。

いつもの3倍ブサイクで浮腫んでいる自分のすっぴんを鏡で見ていると、なんかもう一周回って笑けてきた。

どうせマスクするし、今日はもうアイメイクだけで良いや。てか、洗濯今日回したかった…。