【イナgo】お前らに分かるのか？【霧野・倉間】

35　久しぶりの再会 〜貴志部side〜 ページ37

「和泉〜……疲れた。」

はい、部活終了いたしました。

「あと１ヶ月で秋季ホーリーロードが始まる！皆実力をあげておいてくれ！」

「はい！」


返事をする気にもなれなかった。
呆れた…というか、そんな感じ。

張り切っている皆は、既に茜の件を忘れているように思えた。

…監督でさえも。

木戸川清修は『仲間』を大切にしている。
実際に大がかりな喧嘩なんてあまり見ないし、いじめもあまりないと、言われている。

けれど、そんなんじゃない。
俺は、上里達が茜を幾度もなく陥れて苛めていたのも見ていた。
それが全校に広まって…。

結局、茜は不登校で退部。


もし、本当に仲間を大切にしてるんだったら、

【茜】を退部させなかったんじゃないのか？


……正直いって、いまの俺には恨みしかない気がする。


クラスメイトに、生徒に、サッカー部に。それに監督。そして上里達。

「ほんっと、情けないよなぁ……。」


「何が情けないの？キャプテン。」


キャプテン？
まさか。

「茜……？」

後ろに茜がいた。
茜は微笑んでいた。

「話したいことがあるんです。」

と言って。

俺は息を飲み込んだ。

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