【Fate/Zero】to the beginning.... (ページ15)

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#14 提案ページ15

＿＿＿戦車。

古風な二頭立てのモノは、そう呼ばれた。
魔力の放出量が、サーヴァントの宝ふ具であることを示している。

「双方、武器を収めよ。王の御前である!」

声の主の巨漢はとてつもない圧力でこちらを見た。

「我が名は征服王イスカンダル。この度聖杯戦争においてはライダーのクラスを得て現界した」

「…ありえない」

この場にいた者が思ったであろうことを、思わずもらしてしまうA。

それほどこのライダーは奇想天外なのである。

「何を…考えてやがりますかこの馬ｯ鹿はぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ライダーのマントに掴みかかる、マスターと思わしき少年。

ライダーのマスターはべしっとデコピンをされ、

「はうっ」

沈黙した。

「…」

言葉が出なかった。

サーヴァントがサーヴァントなら、マスターもマスターなのだろう。

「うぬらとは聖杯を求めて相争う巡り合わせだが…矛を交えるより先にまずは問うておくことがある。願望、天地をくらう大望に比べてなお、まだ重いものであるかどうか」

セイバーだけは、ライダーの真意に反応した。

「貴様…何が言いたい?」

「うむ。噛み砕いて言うとだな…

ひとつ、我が軍門に降り、聖杯を余に譲る気はないか?」

「「…」」

あまりにも突拍子もない提案だった。

皆呆れている。

「先に名乗った心意気は、まぁ、感服せんでもないが…その提案は承諾しかねる」

ランサーが口を開く。

「俺が聖杯を捧げるのは、今生にて誓いを交わした新たなる君主ただ一人だけ。断じて貴様ではないぞ、ライダー」

目だけが笑ってない。

「…そもそも、そんな戯言を述べている為に、貴様は私とランサーの勝負を邪魔立てしたというのか?」

ランサーに続くセイバーの顔も、笑っていなかった。