【Fate/Zero】to the beginning.... (ページ13)

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#12 宝具ページ13

銃をしまい、アイリスフィールの元へ戻るA。

その間も、セイバーとランサーの対決は続いていた。

「名乗りもないままの戦いに、名誉もくそもあるまいが＿＿。ともかく、賞賛を受け取れ。ここに至って汗ひとつかかんとは、女だてらに見上げた奴だ」

「無用な謙遜だぞ、ランサー。貴様の名を知らぬとはいえ、その槍捌きを持ってその賛辞…私には誉れだ。ありがたく頂戴しよう」

14歳には理解できない言葉ばかりを使う、セイバーとランサー。

『戯れ合いはそこまでだ。ランサー』

「…?!」

北東方向から、声がした。

「ランサーのマスターｯ…?!」

アイリスフィールが驚いたように呟く。
しかし、見渡しても姿は見えない。

『これ以上、勝負を長引かせるな。速やかに始末しろ＿＿＿宝具の開帳を許可する』

「了解した。我が主よ」

ランサーは、短槍を捨てた。
そして、もう一つの赤い長槍からは、魔力が蜃気楼のように溢れ出ていた。

「＿＿＿そういう訳だ。ここからは殺りに行かせてもらう」

セイバーは剣を構える。

そして、つかの間の沈黙…

両者はじりじりと、すり足で間合いをつめている。

…先に仕掛けたのは、ランサーだった。

((ｷｨﾝｯ…

噛み合った槍と剣を中心に、1陣の烈風が吹き荒れる。

「なっ!?」

セイバーが退き、槍から離れる。

Aとアイリスフィールから見て、何が起こったのかはわからなかった。

「…晒したな、秘蔵の剣を」

「…」

ランサーは不敵な微笑で、セイバーの驚いた顔を笑っている。

「…ランサーのあの宝具…調べてみる価値はありそう…」

突然、Aはスマホを取り出し、何かを始めた。

「A…?」

そんな彼女を、アイリスフィールが心配そうに見ていたのは、言うまでもない。