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学校が終わり、四郎はすぐに双子の弟が入院する病院へ向かった
ほぼ毎日放課後顔を出し、他愛もない話や勉強をするのが四郎の日課
このために高校では部活に入らなかった
今年に入ってから個室に移動となった五郎の部屋を開ける
「ごろー」
扉を開けるとベッドはもぬけの殻だった
横を見ると、車椅子が無くなっている
検査にでも行ったのだろうか。
もしそうなら置き手紙やメールをするはず
四郎は一か八か中庭へ向かった
「あ、ごろ…」
ぽつんと1つ
中庭を見つめる車椅子
紫色のボディをした、五郎の車椅子
「ごろ」
「…しろ」
「どうしたの？」
四郎は話しかけながらも着けていたマフラーやコートを五郎にかける
「外は寒いかな」
「え？ここも外だよ？」
「んーん。病院の外」
「…」
四方八方を建物に囲まれたまさに中庭
色とりどりの植物があるとはいえ、閉塞感があるのは四郎も感じていたことだった
「学校楽しい？」
「楽しいよ？」
「にいたち元気？」
「元気だよ。最近みんな仕事忙しいみたいでさ…五郎に会いたいってうるさくて…」
「…四郎は？しろは元気？」
「…元気だよ？」
「そっか」
小さくそう呟いた後、一筋の涙を流す五郎
「ごろ…？」
「帰りたい…家に帰りたい…っ」
小さい頃から何度も病院のお世話になって来た五郎
でも、ここまで長期の入院は初めてだった
中庭すらも出るのはあまりお勧めしないという担当医の先生の言葉を四郎はここでやっと思い出した
ここに出ることすら許されないほど病状は良くないということ
それは家にももちろん帰れないことを意味していた
ずっと五郎の目線に合わせしゃがんでいた四郎
返す言葉が見つからずにずっと俯いている
「ごめんしろ、こんなこと言って」
「んーん…違う、俺も…」
「帰れないことも分かってるから…」
ちょっと言ってみたかっただけ
そう言って出口に向かって車椅子を押し始める五郎を四郎は後ろから抱きしめた
「また…また、5人でご飯食べようね…
5人でテレビ見て、5人でソファで喋って…5人で和室で寝るの…
家帰ろうね…必ず」
その後見舞いに来た二郎が中庭で涙を流す双子を見つけ、思わず走り出しそうになるが
暫くすると顔を見合わせ笑い合っているのを見て
病院を後にする。
「今日は2人きりがいいよね…？」
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einstein128(プロフ) - +-×÷さん» リクエスト更新させて頂きました。これからも宜しくお願いします！ (2020年4月7日 22時) (
レス) id: 68a3a832be (このIDを非表示/違反報告)
+-×÷ - リクエストです。ごろくん設定でごろくんがひとり留守番している時に喘息の発作がおき倒れてしまうというお話がみたいです！出来たらでいいのでよろしくお願いいたします。 (2020年4月7日 7時) (レス) id: d33567919a (このIDを非表示/違反報告)
香純(プロフ) - リクエストを書いていただきありがとうございます！五郎の写真が家族でいっぱいで、五郎の家族を好きな気持ちがすごく伝わってきて心が温かくなりました。素敵なお話をありがとうございます！これからも応援しています！ (2020年3月28日 10時) (レス) id: bb1e331508 (このIDを非表示/違反報告)
einstein128(プロフ) - 香純さん» リクエスト更新させて頂きました。拙い文章ですがこれからもよろしくお願いいたします (2020年3月25日 15時) (レス) id: 68a3a832be (このIDを非表示/違反報告)
香純(プロフ) - 前文の誤字訂正です。脳性麻痺の潤くんではなく五郎くんの間違いでした。大変すみません。 (2020年3月24日 13時) (レス) id: bb1e331508 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はなぶさ | 作成日時：2020年2月19日 21時
