冬に舞う恋2＊Wooyoung story＊ ページ35
一人踊り終わった僕は、いつものベンチの前でその歩みを止めた。
そこには缶コーヒーがひっそりと一本置かれていた。
僕は置いてあった冷たい缶コーヒーを迷うことなく手に取り。
そして気付く。
君からのメッセージに。
“ありがとう。それから。さようなら”
あぁ。
もう僕は君の踊りを見ることはできないんだね。
それはつまり。
もう僕は君に会えないということなんだね。
僕はベンチに座らずに、その缶コーヒーを一気に飲み干した。
踊り終わったばかりの体は暑いくらいに暖まっていたのに、僕の指先はすっかり冷えきり。
冷たくなった両手に息を吹き掛けながら、僕も君に最後のメッセージを宙へと送った。
“ありがとう。それから。さようなら”
僕のこの言葉は君の元まで届くのかな…。
『ねぇ、ねぇ。ウヨン。ちょっと来てよ!!』
僕はチャンソンに呼ばれて事務所のダンスルームの前まで連れてこられた。
もぅ。何？
めんどくさいな…。
そう思いながらも僕はチャンソンの視線の先にあるものを見ようとして、ガラスドアから中をこっそりと覗いた。
……………………………。
『あの子の踊り…何だか雰囲気がウヨンに似てると思うんだけど…。どう思う!?』
僕の目が君を見つけるのは簡単だった。
『ねぇ。ウヨン!?聞いてる？』
聞いてるよ。
似てる!?僕の踊りに似てるって!?
そりゃそうでしょ。
だって、あの子に僕はーーー………。
『チャンソン、僕用事思い出したから、少しだけ抜ける。皆にうまく言っといて』
何が何だかわからないといった表情のチャンソンをその場に残し、僕は事務所を抜け出した。
そして事務所まで再び戻ってきた僕の手には数年前と同じように、２本の缶コーヒーが握られている。
そっとダンスルームのドアを開けた僕に気付くことなく君はひたすらに踊っていた。
ほんと。
君は相変わらずだね。
そんなとこも僕に似てるなんてね。
僕は君に声をかけようとしてやめた。
正直。
何て声をかけて良いかわからなかったし。
それになにより。
この気持ちを言葉で伝えるなんて僕にはもどかし過ぎて。
だから。
だから。
僕は。
君の隣で一緒に踊ることにするよ。
果たして君は気付くだろうか。
あの冬の日に既に僕たちは出会っていたのだということに。
そして。
僕自身も知らなかったこの気持ちに。
そう。
気づけば。
僕の胸の奥には、ずっとずっと君が居たんだ…。
赤い声＊Taecyeon story→←冬に舞う恋1＊Wooyoung story＊
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エイジ(プロフ) - 月花さん» お返事遅くなりましてすみません。オーラスから未だ感情が上手く整理出来ずにいます。ひたすらテギョン一色で書き綴った一話でしたが、しがないオクッパの心の内をさらけ出してしまいました。私が次にテギョンに会えるのはドーム。この目にしかと彼を焼き付けてきます。 (2016年7月17日 1時) (
レス) id: d1cda00c22 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - 久しぶりにエイジさんのお話が読めて嬉しいのと、このお話はテクペンのエイジさんだからこそのお話だなぁと思いました。その距離も関係性も分かってはいるけど、時折辛くなりますよね。店員さんが何を言ったのかが、気になります。切ないけど素敵なお話有難うございます (2016年6月2日 16時) (レス) id: 2db226cba0 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - じゅんたさん» コメントありがとうございます(*^^*)余りにおひさしぶりの更新ですみません。まだまだ、書きたい気持ちはたくさんですので、のんびりとお付き合いいただけると嬉しいです!! (2015年12月2日 18時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
じゅんた(プロフ) - 久しぶりのエイジWorld堪能しました。ありがとうございます(人´∀｀) (2015年12月2日 6時) (レス) id: 017662d541 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - りえぞうさん» コメントありがとうございます。嬉しいです、オクッパ同士ですね♪これからも、テギョン溺愛で行きますので、また遊びに来てくださいね!!私も、初めまして♪こんばんは♪(*^^*) (2015年8月16日 23時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エイジ | 作成日時：2015年6月7日 22時
