冬に舞う恋1＊Wooyoung story＊ ページ34
＊ウヨンside＊
僕は過ぎた想いに囚われない。
そう思っていたけれど、忘れられなかった人がこの胸の奥にずっと居たのだと云うことを、君が僕に思い出させたんだ…。
それは今から数年前のある朝から始まったんだ。
仕事が明け方に終わった僕は、近所のコンビニに寄って。
まだ誰も居ないだろうさびれた公園のベンチに独り座り、買ったばかりのを缶コーヒーを飲んでいた。
吐き出す息は白く、僕のかじかむ指先が少しだけ暖まった頃、その人はやって来た。
緩めのウェアを着て、大きな鞄で現れたその人は、僕に気づくこと無く一人公園の片隅で踊り始めたんだ。
まだとても繊細とは言えない粗削りなダンスだったのに、僕の両の目が反らすことなど許されないまでにとても惹き付けられたんだ。
それはきっと僕が忘れかけていたものが、その人のダンスにはあったからだ。
いいダンスをしなきゃ。
もっと上手に、もっと綺麗に踊らなきゃ。
そんな思いが先走るあまりに、最近の僕は踊る楽しみよりも、踊ることへの重圧ばかりを感じていたと思う。
目の前で楽しそうに踊るその人に、昔の自分を重ね。
そしてその踊りはどんな音からくるものなのか。
そんなことを想像しながら僕はゆっくりと瞼を閉じた。
次に瞼を開けたとき、僕だけが公園に居た。
手元で冷えた缶を僕は握りしめ、明るくなり始めた空を仰ぎ。
そして。
明日も同じ時間にここへ来れば、また君の躍りを見ることができるかな…。
そんなことを考えながら、僕は家へと向かった。
明くる日の明け方。
僕の手には２本の缶コーヒーが握られていた。
正直こんなことしてる自分に驚いたけど、僕の足はどんどん目的の場所へと駆け出していく。
辿り着いた公園で、昨日と同じベンチに腰かけ君が来るのを待った。
暫くして現れた君はやはり僕に気付くことなく踊り出す。
僕は慌てて上着のポケットに忍ばせていたメモとペンを取りだした。
そして僕はそっと君の鞄の側に缶コーヒーとメモを置いてその場をあとにした。
そんなことを４日間繰り返し、訪れた５日目。
仕事が終わらずに公園に辿り着いたのは、もう昼をとうに過ぎた頃だった。
君の踊る姿を見ることはできないとわかっていながらも、確かめずにはいられなかった僕は。
今日君が踊っていただろう場所まで行き、そして君が昨日踊っていたダンスを僕は夢中で踊った。
君を思い出し。
君を描きながら。
僕は一人踊った。
冬に舞う恋2＊Wooyoung story＊→←瞳の先の愛＊Junho story
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エイジ(プロフ) - 月花さん» お返事遅くなりましてすみません。オーラスから未だ感情が上手く整理出来ずにいます。ひたすらテギョン一色で書き綴った一話でしたが、しがないオクッパの心の内をさらけ出してしまいました。私が次にテギョンに会えるのはドーム。この目にしかと彼を焼き付けてきます。 (2016年7月17日 1時) (
レス) id: d1cda00c22 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - 久しぶりにエイジさんのお話が読めて嬉しいのと、このお話はテクペンのエイジさんだからこそのお話だなぁと思いました。その距離も関係性も分かってはいるけど、時折辛くなりますよね。店員さんが何を言ったのかが、気になります。切ないけど素敵なお話有難うございます (2016年6月2日 16時) (レス) id: 2db226cba0 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - じゅんたさん» コメントありがとうございます(*^^*)余りにおひさしぶりの更新ですみません。まだまだ、書きたい気持ちはたくさんですので、のんびりとお付き合いいただけると嬉しいです!! (2015年12月2日 18時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
じゅんた(プロフ) - 久しぶりのエイジWorld堪能しました。ありがとうございます(人´∀｀) (2015年12月2日 6時) (レス) id: 017662d541 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - りえぞうさん» コメントありがとうございます。嬉しいです、オクッパ同士ですね♪これからも、テギョン溺愛で行きますので、また遊びに来てくださいね!!私も、初めまして♪こんばんは♪(*^^*) (2015年8月16日 23時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エイジ | 作成日時：2015年6月7日 22時
