めくれたオレンジ４＊Nichkhun story＊under ページ14
＊ニックンside＊
力無く凭れ掛かってきた君を腕に抱いて、探した寝室のベッド。
そこに君を優しく寝かせて。
閉じたままの君の目尻の涙を僕はそっと拭う。
そして願いながら呟いた。
『ねぇ。約束して。もう無理に笑わないって。辛いときは辛いって言って良いんだよ。泣きたいときは泣いて良いんだ。だから笑えないときは、どうか笑わないで』
そうでないと。
きっと、君も僕のように心が渇いてしまうだろうから。
今なら、まだ間に合うよ。
だって、君は泣けたんだから。
目尻をつたっていた涙が乾き、君から手を離した瞬間。
掴まれた僕の手首。
『待って。どうして私が泣けないってわかったの!?』
君は狡いね。
僕にそれを言わせるの!?
掴まれた手首が痛いほどに熱い。
『貴方が言えないなら、私が言ってあげる』
やめろよ。
『貴方も泣けないからよ』
あぁ。
僕は目を伏せるしかなかった。
熱くなった手首を引き寄せられて、僕は君のベッドに片膝を着いて乗り上げる。
そして君は僕の身体を優しくかき抱いた。
君の細い腕が僕を力一杯抱き締めて、僕の背中は甘く撫でられていく。
それから君は僕に強い瞳で言った。
『私が泣けるなら、貴方もきっと泣ける。だから貴方が泣けるまで、私が抱いてあげる。何度だって抱いてあげる』
『ニックン。貴方じゃなくてニックンだよ』
『私はA。おいで、ニックン』
目覚めた僕の目に映るのは、テーブルでオレンジを剥いているAの姿。
Aは、フルーツナイフを使わず自分の指で皮を剥いていた。
部屋中を爽やかな薫りが拡がっていく。
オレンジの厚い皮は次第に剥かれていき、めくれたオレンジは柔らかい丸いフォルムをしていた。
Aの指は、二つあったオレンジの皮を両方ともめくり。
皮が剥かれて一回り小さくなったオレンジ達は無造作にお皿に並べられ、僕の目の前に差し出された。
そして僕はめくれたオレンジを食べ、君の部屋を後にした。
歩きながら指から薫る香りに誘われて、思い出したように舐めた僕の親指からは。
しっかりと甘いオレンジの味がした。
それからの僕はというと。
『クンヒョン…顔が笑ってないよ!?』
『だってウヨン、それ楽しくないから笑えない』
A。
僕との約束覚えてる!?
君が約束を守っているかを確かめに、これから君の部屋に行っても良いかな。
手土産に沢山のオレンジを持って行くよ。
★Nichkhun Happy Birthday★2015*6*24
小さな君の小さな我が儘1＊Taecyeon story→←めくれたオレンジ３＊Nichkhun story＊under
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エイジ(プロフ) - 月花さん» お返事遅くなりましてすみません。オーラスから未だ感情が上手く整理出来ずにいます。ひたすらテギョン一色で書き綴った一話でしたが、しがないオクッパの心の内をさらけ出してしまいました。私が次にテギョンに会えるのはドーム。この目にしかと彼を焼き付けてきます。 (2016年7月17日 1時) (
レス) id: d1cda00c22 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - 久しぶりにエイジさんのお話が読めて嬉しいのと、このお話はテクペンのエイジさんだからこそのお話だなぁと思いました。その距離も関係性も分かってはいるけど、時折辛くなりますよね。店員さんが何を言ったのかが、気になります。切ないけど素敵なお話有難うございます (2016年6月2日 16時) (レス) id: 2db226cba0 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - じゅんたさん» コメントありがとうございます(*^^*)余りにおひさしぶりの更新ですみません。まだまだ、書きたい気持ちはたくさんですので、のんびりとお付き合いいただけると嬉しいです!! (2015年12月2日 18時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
じゅんた(プロフ) - 久しぶりのエイジWorld堪能しました。ありがとうございます(人´∀｀) (2015年12月2日 6時) (レス) id: 017662d541 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - りえぞうさん» コメントありがとうございます。嬉しいです、オクッパ同士ですね♪これからも、テギョン溺愛で行きますので、また遊びに来てくださいね!!私も、初めまして♪こんばんは♪(*^^*) (2015年8月16日 23時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エイジ | 作成日時：2015年6月7日 22時
