真夏の香り1＊Wooyoung story ページ19
ーー人生とは選択の連続である。
有名な誰かが言っていた。
だけど、そんなこと今の今まで考えたことなんて無かった。
だから、この選択がどんな意味を持っていたのかなんて気づく由もなかった。
仕事終わりの帰り道。
コンビニで何時ものアイスカフェラテをかごに入れて、それから何故だか私はぶらっと店内を一周した。
何時もならそんなことしないのに。
この日の私は、何かが違っていた。
この時から、私は選択の連続を迫られていたのかもしれない。
自分でも気づかないうちに。
目の前にある花火セットに惹かれた私は手を伸ばし、商品棚からその一つを取り出そうとした、その時。
『ねぇねぇ。それ買うの!?』
不意に聴こえた少し癖のある声に振り向けば、帽子を軽く被った男性が私の持っている花火を指差しながらにこにこしている。
『え!?』
『それ、僕もやりたいから。一緒にやらない!?』
男性が可愛く小首を傾げ、緩く被せられた帽子から覗く前髪がふわりと揺れ。
その瞬間、躊躇うことなく私は首を縦に動かしていた。
『やったね、楽しみ』
そう言って口元を少しだけ緩めた彼は、悪戯に笑った。
私の買い物かごには花火セットとライター、それから、彼が手にしていたミネラルウォーターが加えられた。
レジで清算を済ませた私は、急ぎ足で店の外へ出た。
待っていた彼は、私の手に下げられていたビニール袋を素早く取ると、私の横に並んで歩き出す。
『ナンパだと思った!?違うよ、ナンパじゃないよ!?あれ。ナンパなのかな!?』
ねぇ、どう思う!?
そんな視線を送られて、私は瞬時に答えた。
『ナンパじゃない…と思う』
『ふーん。そう思ったんだ…』
彼は少しだけむくれて、頬をぷくりと膨らませた。
そんな彼を歩きながら何度も私は盗み見る。
『あ。今、僕のこと見たでしょ!?』
『見てないよ』
見たよ。
見たけど、見てないよ。
だって、見てたなんて言えないじゃない…。
『ふーん、ホントかなぁ』
可愛い目でぐっと近くから覗き込まれて、たじろぐ私を彼は可笑しそうに笑う。
『じゃぁ、もう僕を見ちゃ駄目だよ』
『え？』
『だから、見ちゃ駄目だってば』
『う、うん』
慌てて彼から視線を外して前を見る。
ただ前を見て歩くだけ。
それがこんなにも難しいことをこの時初めて知った。
ジャリジャリと踏みしめた足元に、買ってきた花火を彼と一本ずつ並べていく。
二人でするには少なすぎる量の花火の中に、大好きな線香花火を見付けた。
真夏の香り2＊Wooyoung story→←明けない夜に＊Taecyeon story
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エイジ(プロフ) - 月花さん» お返事遅くなりましてすみません。オーラスから未だ感情が上手く整理出来ずにいます。ひたすらテギョン一色で書き綴った一話でしたが、しがないオクッパの心の内をさらけ出してしまいました。私が次にテギョンに会えるのはドーム。この目にしかと彼を焼き付けてきます。 (2016年7月17日 1時) (
レス) id: d1cda00c22 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - 久しぶりにエイジさんのお話が読めて嬉しいのと、このお話はテクペンのエイジさんだからこそのお話だなぁと思いました。その距離も関係性も分かってはいるけど、時折辛くなりますよね。店員さんが何を言ったのかが、気になります。切ないけど素敵なお話有難うございます (2016年6月2日 16時) (レス) id: 2db226cba0 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - じゅんたさん» コメントありがとうございます(*^^*)余りにおひさしぶりの更新ですみません。まだまだ、書きたい気持ちはたくさんですので、のんびりとお付き合いいただけると嬉しいです!! (2015年12月2日 18時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
じゅんた(プロフ) - 久しぶりのエイジWorld堪能しました。ありがとうございます(人´∀｀) (2015年12月2日 6時) (レス) id: 017662d541 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - りえぞうさん» コメントありがとうございます。嬉しいです、オクッパ同士ですね♪これからも、テギョン溺愛で行きますので、また遊びに来てくださいね!!私も、初めまして♪こんばんは♪(*^^*) (2015年8月16日 23時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エイジ | 作成日時：2015年6月7日 22時
