24.残してくれた宝物 ページ24
看護師「秋山さーん。診察室へどうぞー」
「はい」
医者「秋山さんね、妊娠してます。とりあえず、産科で続きを話すことになりますので、今から移動お願いしますね。」
淡々と話す先生の言葉に、理解が追いつかない。
妊娠？
私が？
ツ「A？どうした？」
「みっくん。移動するね。」
ツ「ん？」
みっくんは静かに後をついてきた。
ツ「産科…？」
「みっくん…ちょっと待ってて。ごめん」
パニックなみっくんを置いて、診察室へ行く。
産科医「まず、もう４ヶ月に近くなってるようですので、心拍の確認は出来ています。出産はご希望ですか？」
「えっ…」
私は自然と涙を流した。
産科医「悩まれる方もいらっしゃるけどね」
「いや…」
産科医「また考えてからきてもいいけれど、決断は月末までかなー。もう大きくなってきたからね。」
「あの…産みます。」
産科医「そうでしたか。では出産にむけての手続きを致しますね。」
医者は淡々としていたが、私の決断にニコッと笑った。
とりあえずまた2週間後に。と言われて、私はみっくんの車に乗った。
車内は沈黙で、みっくんは何も聞いてこなかった。
アバハウスにつくと、メンバーがみんないた。
「みんな、ちょっと、いいかな。」
そ「どうだったー？病院」
リ「待って、なんか怖いー」
「あのね、私、妊娠してた。」
「「 え！！！！！ 」」
みんなの反応は間違えていない。
そ「待って？それは…」
「エイちゃんの子だよ。」
そういうと、みっくんが涙を流した。
その涙を見て、私も泣いた。
そして、そらとりっくんも泣いた。
みんなで声を出して泣いたのは、あの日以来だった。
「みんなにお願いがある」
「わたし、産んでもいいかな」
そ「あたりめぇだろ。俺らがパパやってやるよ」
そんな言葉が嬉しくて、エイちゃんの温もりを久しぶりに感じた。
私に残してくれたんだね。
エイちゃん、最高のプレゼントだよ。
ありがとう。
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作者名：tee(てぃー) | 作成日時：2019年3月2日 8時
