case9 15 ページ6
「うん。なるほどね。似てるか・・な・・。」
渋々ではあるが納得した松本。
結局“ナカイシ”に落ち着いたようだった。
“かまどや”は、万引きのあった弁当屋の名前だ。
だから、相葉は『やっぱり万引きかも』と言ったわけだ。
“車種”については、犯人のものなのか、何かの目印なのか。まだわからないことが多い。
・
「戻りましたー。」
捜査から戻った二人が、真っ直ぐ松本の席へ向かって来ると、
「お疲れ様でした。」と、松本が労う。
「えー、弁当屋の防犯カメラは駐車場を向いています。
以前、車上荒らしにあった際に取り付けたものらしいです。
出入りする客の姿も多少は映っていますが、決め手に欠けます。
犯行時間に停まっていた車は一台。」
「これですか？」
松本が写真を確認する。
「はい。車種がメッセージたとピッタリ合ってました。ナンバーを読み取って追跡調査しています。以上です。」
パタンと手帳を閉じると、くだけた口調で
「なあ、松本。」
と、声を掛けてきた。
「なんか、おかしいって思わないか？」
「え？」
松本は男を見上げる。
問いに敏感に反応したのは、ペアを組んだ若手だ。
「なにかおかしいですか？」
「弁当の万引きっていうのも、交番に姿を見せたのも。全部かな。」
「山さん、何も言ってなかったじゃないですか。
万引きしたのだって、お金がなかっただけじゃないですか？」
山さんが若手に向き直る。
どこか不穏な空気を感じたのだろう、若手がびくりと震えた。
「それは予断って言うんじゃねぇか？
・・・まあ、いい。じゃあ、すぐに逃げずに交番に来たのは何故だ？」
「それは、確かめて見たかった、とか？」
「何を？」
「そりゃ、超能力をですよ。話題じゃないすか。」
松本は聞き役に徹している。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 270人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちえさん(プロフ) - のんさん» のんさん。ありがとうございます！なんか憧れがあるんですよ。かゆいところに手が届くBAR(笑)。楽しんで貰えて何よりです。頑張りま〜す！ (2017年5月24日 15時) (
レス) id: 7fbfbb978f (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 読了です！楽しかった〜。この話、最後にかっこいいところ全部マスターが持っていきましたね、惚れちゃいそう。そしてなんだかんだと皆仲間思いで…でも大野さんはまだ腹に一物ありそうな…。これからまた読み直して暫く余韻に浸りたいと思います(´ω｀) (2017年5月24日 9時) (レス) id: 6cd725b9c2 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - ねこにゃんさん» ねこにゃんさん。こんにちは。コメントありがとうございます！楽しんでいただけましたか？またお話が出来上がったら、必ずアップしますね。ありがとうございました〜 (2017年5月8日 19時) (レス) id: 6768eaa269 (このIDを非表示/違反報告)
ねこにゃん(プロフ) - ちえさん、面白かったです！今回はいろんな謎がありましたね〜。ニノさんの事も相葉さんの事。アイドルコンビの活躍にさりげなく謎が絡んでしてとても面白かったです。続編…あってほしいなあ〜 (2017年5月8日 18時) (レス) id: 9c10047ce3 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - あむむさん» あむむさん。こんにちは。いつもありがとうございます。むふふ。仕掛けが効いてますか？なら作者冥利に尽きるというもの。最後まで楽しんでいただけると嬉しいです。 (2017年5月3日 19時) (レス) id: 7fbfbb978f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちえさん
| 作成日時：2017年5月1日 12時
