case7 32 ページ12
櫻井は、報告書に貼り付けられたら写真を指し示す。
「彼の顔面にわずかですが傷跡がありました。 知り合いの整形外科医に聞いたところ、整形の跡の可能性が高いそうです。
腕のいい医者とは思えないとも。
なので、非正規の医者を当たっています。
本人は子どもの頃の事故の後だと言ってますけどね。」
櫻井はさらに用紙を重ねた。
「五葉ビル爆破事件のビデオ映像が報道局に残っていました。
これから専門家に依頼して分析を進めます。」
「何の分析？整形してんだろ？」
咎めるような大野に、
「見た目は変えられても、目の間隔や歩き方の癖なんかは変わらないそうです。
同一人物の可能性を証明できるかと。」
櫻井は理路整然と答える。
「完璧。言うことない。」
大野はニコリと笑う。
だが、すぐに真顔になると、組んだ手を机に置いたまま椅子に深く腰掛けた。
それからぽつんと言った。
「悔しいよね。」
櫻井が顔を上げる。
「こんだけ情報集めてさ、残りは公安がもっていくんだろ？どうせなら、証拠固めまでやりたかったよなー。」
そのままくるりと一回転。そして、櫻井に背を向けてしまう。
「ありがとう。ご苦労さん。」
櫻井は、子供じみた動きに大野の悔しさを
感じた。
軽く頭を下げて部屋を出て行こうとすると、きいと音を鳴らして椅子を回した大野が、こちらを向いていた。
「なにか？」
「いや・・・あの・・・やっぱ、あとでいいや・・・」
何故か歯切れの悪い大野。またくるりと椅子を回し、櫻井の視線を逃れる。
焦れた櫻井が呼びかける。
「大野さん？」
思わず普段のように問いかけると、再び櫻井の顔を見つめてきた大野。
その頬は仕事中とは違う柔らかさをまとっている。
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ちえさん(プロフ) - へへへへさん» へへへへさん。編集さんかな？コメントありがとうございます。拙い文章から作者が込めた部分も感じ取ってくださって、本当に嬉しいです！ありがとうございました。 (2017年3月12日 13時) (
レス) id: 7fbfbb978f (このIDを非表示/違反報告)
へへへへ - 初コメントです♪最後まで一気に読ませていただきましたー(^^) ちえさんのお話は、身近にある願いとか思いなどが二人の言葉に反映されていて「うん。うん」と頷ぎながら読んでいます♪また、にのあいさんがほんわかしていて素敵♪次回も楽しみです♪編集でしたー (2017年3月12日 13時) (レス) id: c1d451b5a9 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - tumireさん» tumireさん。コメントありがとうございます。うまく描写出来ないことが多いので、情景が浮かぶような、と言っていただいてとても嬉しいです。応援、感謝です！ (2017年3月8日 8時) (レス) id: 7fbfbb978f (このIDを非表示/違反報告)
tumire(プロフ) - 初めまして、ツクールで初めてコメントします。バデイ最初から拝見させて頂いててすごく面白いです。ちえさんの情景が浮かぶような文章とにのあいコンビが絶妙で大好きです。これからも素敵なお話楽しみにしています、応援しています。 (2017年3月8日 1時) (レス) id: c4105aaa07 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - にのたんさん» にのたんさん。ありがとうございます！気合い入れて頑張ります！ (2017年3月2日 21時) (レス) id: 7fbfbb978f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちえさん
| 作成日時：2016年12月1日 12時
