4 ページ15
side 翔
講演会当日。
結論からいうと、あれほど大野さんが太鼓判を押した相葉くんだったけど、生来のあがり症が邪魔をした。
セリフが飛んだ。
正確に言うと、飛んだことにも気がつかないくらいのテンパリ具合だった。
舞台は劇団員のフォローで無事に終幕したのだけれど。
相葉くんは最初から最後まで、ずっと心ここにあらずといった風情だった。
・
・
結界が張られる前に帰ってきた俺たちは、リビングに集合していた。
相葉くんは打ち上げなんかもあるだろうし、今日は帰ってこれないと思ってた。
けど、うちの事情を良く知る仲間が帰れるようにしてくれたみたい。
疲れてるだろうから、自分ちで休んだ方がいいよって言ってくれたらしい。
優しい人達で良かったねぇ。
そんなリビングにはずっとお冠の子が1人。
「あんなに練習したのに。しっんじらんないっ！」
相葉くんはただ苦笑いするだけだ。
聞けば、幕が開いた時から記憶が曖昧で。
着替えないのと聞かれて我に返ったとか。
「リハーサルは完璧だったんだよ？わかる？カンペキ。
それがさ。あーーもーーっ！」
にのの悔しさはわかる。そりゃあ頑張ってたもんね、相葉くんは。
大野さんも松本も、各々の気持ちがわかるだけに口を挟まず見守っている。
「迷子のお世話したら現実に戻っちゃってね・・」
相葉くんはぽつりとその時の状況を話す。
迷子を案内所に連れていった帰り、何気なく見た満員の講堂。この人達がみんな舞台を楽しみに来たんだと思ったとたん、心臓がバクバクして、足が地に着かなくなったと吐露した。
理由を聞いたにのは少しトーンダウンしたみたい。
相葉くんはそんなにのにコーヒーを差し出した。
可愛いお菓子がちょこりと載っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 228人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちえさん(プロフ) - あんずさん» あんずさん、コメントありがとうございます。にのちゃんにも言葉をありがとう。退院の時の賑やかな感じは書いていてとても楽しかったです。 (2022年6月2日 23時) (
レス) id: 94c3edab09 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - にのちゃん退院おめでとうですね。揃うとやっぱりにぎやかで楽しそうな大野荘(*^^*) また病院行きだけど1人じゃなくてよかったです。更新ありがとうございました！ (2022年6月2日 23時) (レス) @page42 id: a42c516e80 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - ねこにゃんさん» ふふっ。大野荘の大野さんはお仕事が繊細だから嫌いなものは全力で拒否ってしまうのです 笑 コメントありがとうございます ねこにゃんさまのお話があったから生まれたシリーズなので楽しんで貰えて嬉しかったです( ´ー`) (2022年6月2日 19時) (レス) id: 94c3edab09 (このIDを非表示/違反報告)
ねこにゃん(プロフ) - ちえさん！ついに、にの♡まさき♡ペアが誕生しましたね！嬉しい〜〜。それにしても蚊に驚いて壁をぶち壊すなんて…大野さんの怪力ぶりに驚きです。そんなに蚊が嫌いなのね（笑）お話、ありがとうございました(^▽^) (2022年6月2日 19時) (レス) @page42 id: 13f4972941 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - ねこにゃんさん» ねこにゃん様、いつもありがとうございます。ナニカって連れて行っちゃうの？！それは困りますね💦。モンチッチにのちゃんならポケットサイズかも(笑)。相葉さんに守ってもらいましょうか。 (2022年2月24日 23時) (レス) id: 94c3edab09 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちえさん
| 作成日時：2021年10月2日 17時
