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side 翔
「っていうか、棒読みしてない事があったの？」
大野さんは唇を湿らせる。
「誰もいないと思って、本番みたいに稽古してたのをこっそり見たことがあるんだけどさ。
相葉ちゃん、舞台いいと思うな。上手くなったし、ありゃ天性のモンだな、雰囲気がある。
にのは、そんな相葉ちゃんを見ながらはしっこで台詞を言ってたんだけど・・・
相葉ちゃんに引き込まれたんだろうな。控えめだけどちゃんと芝居をしてた。
俺がいることに気づいて、また棒読みに戻ったんだけどさ。や、さすがだったな。」
「なあ、智。1人で納得してないでもう少し説明してよ何がどう流石なの？」
「うーん。うまく言えないけどさ。」
松本の言葉に大野さんが言葉を探しながら話す。
「ほら、前ににのへ嫌がらせがあって、執拗だったって聞いただろ？」
「・・・あぁ・・・。
そういや、にのはアテレコ経験者だったね。」
「大手を蹴ってにのが受かって。それから嫌がらせが始まったんだっけ。忘れてたな。」
俺たちの言葉に大野さんが頷く。
「あんな事になったのはさ。
想像でしかないけど、俺は、出来レースをひっくり返しちまったんだろうと思ってるんだ。
それだけにのの演技が魅力的だったんだろう、監督にとってはね。
まあ、面目丸潰れの大手は、悔しい気持ちを弱小事務所にぶつけるしかなかったんだろうけど。あそこまで、嫌がらせが執拗だったのは、それだけ、にのの才能が怖かったんじゃないかな。」
「え、怖い？」
松本と俺がほぼ同時に尋ねると、大野さんが頷いた。
「うん。さっき、稽古を見たっていったろ？
にののほんの一言二言で、情景が浮かぶ。登場人物か見えてくる。
相葉ちゃんもセリフがより自然になる。
俺も映画とかドラマとかやってきたけどさ。相手の力も引き上げるなんて、そうそう出来なかった。
でも、あの一瞬は、相葉ちゃんの力をにのが引き出したからこそのクオリティーだったんだよ。」
大野さんだから説得力を持つ言葉たち。
元アイドルの大野さんだからこそ。
「まあ、結果として疎まれたわけだけど。
とんでもない才能ってのはそうしたもんだ。たとえ本人が気付かないとしてもね。
・・・でもね。」
大野さんの表情が引き締まる。
「にのは事務所を辞めてここに来たから。
・・・分岐点は通りすぎてるんだよ。
いつかまた、道を選ぶときがくるまで、にのはここで暮らすんだ。」
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ちえさん(プロフ) - あんずさん» あんずさん、コメントありがとうございます。にのちゃんにも言葉をありがとう。退院の時の賑やかな感じは書いていてとても楽しかったです。 (2022年6月2日 23時) (
レス) id: 94c3edab09 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - にのちゃん退院おめでとうですね。揃うとやっぱりにぎやかで楽しそうな大野荘(*^^*) また病院行きだけど1人じゃなくてよかったです。更新ありがとうございました！ (2022年6月2日 23時) (レス) @page42 id: a42c516e80 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - ねこにゃんさん» ふふっ。大野荘の大野さんはお仕事が繊細だから嫌いなものは全力で拒否ってしまうのです 笑 コメントありがとうございます ねこにゃんさまのお話があったから生まれたシリーズなので楽しんで貰えて嬉しかったです( ´ー`) (2022年6月2日 19時) (レス) id: 94c3edab09 (このIDを非表示/違反報告)
ねこにゃん(プロフ) - ちえさん！ついに、にの♡まさき♡ペアが誕生しましたね！嬉しい〜〜。それにしても蚊に驚いて壁をぶち壊すなんて…大野さんの怪力ぶりに驚きです。そんなに蚊が嫌いなのね（笑）お話、ありがとうございました(^▽^) (2022年6月2日 19時) (レス) @page42 id: 13f4972941 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - ねこにゃんさん» ねこにゃん様、いつもありがとうございます。ナニカって連れて行っちゃうの？！それは困りますね💦。モンチッチにのちゃんならポケットサイズかも(笑)。相葉さんに守ってもらいましょうか。 (2022年2月24日 23時) (レス) id: 94c3edab09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちえさん
| 作成日時：2021年10月2日 17時
