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な、な、なんで名前と会社？
俺が目を剥くと、彼の指先が指す。
あ、名札！
裏返しにするの忘れてた。
そう。傘のデザインとかが俺の仕事なんだ。
機能性の高い日傘が当たって、会社としては業績もまあまあなんだけど。
守ってばかりではいられないよね。その次を求められてる。
「コンビニのビニール傘がライバルとは厳しいですね。」
「そうなんですよ。手軽に手に入るし、最近のはあんまり壊れないし・・」
ほんと、マジで厳しい。
ため息と共に空を見上げる。
雨はまだ止まず、かといってひどくもならず降っている。
隣の彼も俺に釣られるように空を見上げ、ポツリと呟いた。
「悪いけどアドバイスとか無理かも。」
え？なんで急にそんな事を？
「俺、傘使わないんだ。お役に立てない。」
思わず彼に近寄った。
「そんな事ありません。っていうか是非、お話を聞かせてください。」
「え？・・・・」
俺の勢いに彼が一歩引いた。
オレ。
ちょっと落ち着け、オレ。
傘屋に傘使わないって言うのって、勇気いるだろ。
な？。がっついてんじゃないよ。
軽く深呼吸して、丁寧に言葉を続ける。
「あの、傘を使わない理由を聞かせて欲しいんです。
こういう話なかなか聞けなくて、却ってありがたいというか。」
お願いしますと、深く頭を下げる。
そんな俺を彼はヒタと見据える。
「・・・・・本当に聞きたい？」
伸ばし気味の「本当」に、うんと頷く。
「じゃあ・・・その、さ？
思いきって言うけど。」
うん。
「駅がそんな遠くないから、こんくらいの雨なら走って済ませるんだ。
ほら、背が高くないのもあって、手で持っても、腕に掛けても邪魔だし。
だから、大雨の時には、それこそコンビニで買ったり、乗り合わせてタクシー使ったりしてるの。
だから・・」
本当に申し訳なさそうにごめんねと呟く。
「いえ。とんでもないです。」
俺は全力で否定した。
こんな話、本当になかなか聞けない。
友達は俺が傘屋にいることを知ってるから、余計な事は言わないし。
もちろん、会社でお会いする人は傘の仕事をするひとだからね。
持たない人なんていないわけで。
想像することと、こうやって話を聞けることは違う。
「本当に、ほんっとうに助かりました。
ついでになんですが、他には・・」
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ちえさん(プロフ) - ねこにゃんさん» ねこにゃんさん、嬉しいコメントありがとう。そうなんです、黒須の役目はノコルのお守りであり警護なのだと思っています。叱られノコル、気に入って貰えて嬉しいです。私も好きなシーンです。 (10月4日 18時) (
レス) id: 1ddc255e22 (このIDを非表示/違反報告)
ねこにゃん(プロフ) - ちえさん、第2弾ありがとうございます！ノコ黒の距離感、縮まってる気がします〜〜。ラストの叱られノコル、かわいいです💛好物です💛本編では黒須はテントの見張りのようでしたが、ノコちゃんのお守が主なお役目なのかもですね。ありがとうございました。 (10月4日 18時) (レス) @page43 id: e6e2755141 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - あんずさん！いらっしゃいませ。１人佇むノコル、印象的でしたね♡きっと１人背負い込んでしまうと思って…。助けてくれる人がいるよ、という気持ちで書きました。ここは黒須の出番ですよね😁気に入っでいただけたのなら嬉しいです。 (9月25日 0時) (レス) @page38 id: 1ddc255e22 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - ポツンとバルカに残されたノコル姫、とっても心配しておりました… 強がって意地張っていても身体は正直ですね(；；) お話にしてくださってありがとうございます！姫を頼んだよ黒須…！ (9月24日 23時) (レス) @page38 id: a42c516e80 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - ねこにゃんさん» ねこにゃんさん！早速ありがとうございます。本当に大切に育てられた姫でしたよね〜。ベタベタ甘やかしそうな乃木兄さんと、厳しく鍛えるけど要所は押さえる黒須。いいコンビでした。続編？ええっ？続編はあまり期待しないでくださいね〜(汗)。 (9月24日 18時) (レス) id: 1ddc255e22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちえさん
| 作成日時：2021年4月25日 16時
