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インフォーマ番外
某国。
空港から程近い場所にその家はある。
穏やかな見かけとは異なり、敵に死角を与えないように計算しつくされた家。
セキュリティのため、すべての室内は録画されている。
特有の粗い画像の中。
一人の男がリビングに入ってきた。
テーブルに置かれているパソコンのキーボードを操作し、俯く。
なにやら自分の体を探り、取り出したのはスマホだ。
スマホに照らされる顔は整っている。
手にしたままイライラと広すぎる居間を歩き、大きなソファにポスンと沈む。
5分と経たずに立ち上がり、またパソコンの画面を覗き込んでいる。
贅沢な間取りのその家には今、主人を待つ彼一人がいる。
主人の名前は冴木亮平。
職業は公表していないが、殺し屋である。
彼は主人から『和』と呼ばれていた。
・
ソファとパソコンの間を行き来する和。
チケット会社のページを何度も見ている。
帰国予定の当日にチケットがキャンセルされた。
そういう事はままあった。
だが、一週間経った今も予約が入っていない。
こんなことは今までなかった。
何かあった？
何があった？
彼は嫌な予感を振り払うように首を横に何度か振ると、今度はメールソフトを立ち上げる。
伸びた髪を無造作に束ねたその首もとには大きな傷が見えた。
・
今でこそ怖いものなしの冴木たちだが、失敗がひとつもなかったわけではない。
命からがら逃げ出したことも、"先生"の手を煩わさせたこともある。
『お前の時が3回目だ。』
後に冴木がそう言った言葉を和は覚えている。
和はその昔、新宿に店を構えていた。
自身もホストとして人気を博すその店には、冴木の側近である岡林の知り合いがいた。
兄貴としてたまに顔を出す程度だった岡林だが、いつの間にか客として遊びに来るようになった。
岡林が来るときには必ず女たちを呼んであり、ホストも岡林の知り合いと彼の2人だけだった。
相手に気を遣わせない心配りはさすがで、とにかく居心地が良い。
自然と店を利用する回数が増え、いつしか冴木も店の上客になっていた。
『オカ、今日、行くぞ』
どこへと言わずともわかる冴木の言葉に彼の店に連絡を入れる。
定休日だろうとお構いなしなのは冴木だから、迎え入れる方はてんてこ舞いだ。
間の悪いことに、その日に限って冴木の酒が切れており、あわてて注文することになる。
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ちえさん(プロフ) - ねこにゃんさん» ねこにゃんさん、嬉しいコメントありがとう。そうなんです、黒須の役目はノコルのお守りであり警護なのだと思っています。叱られノコル、気に入って貰えて嬉しいです。私も好きなシーンです。 (10月4日 18時) (
レス) id: 1ddc255e22 (このIDを非表示/違反報告)
ねこにゃん(プロフ) - ちえさん、第2弾ありがとうございます！ノコ黒の距離感、縮まってる気がします〜〜。ラストの叱られノコル、かわいいです💛好物です💛本編では黒須はテントの見張りのようでしたが、ノコちゃんのお守が主なお役目なのかもですね。ありがとうございました。 (10月4日 18時) (レス) @page43 id: e6e2755141 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - あんずさん！いらっしゃいませ。１人佇むノコル、印象的でしたね♡きっと１人背負い込んでしまうと思って…。助けてくれる人がいるよ、という気持ちで書きました。ここは黒須の出番ですよね😁気に入っでいただけたのなら嬉しいです。 (9月25日 0時) (レス) @page38 id: 1ddc255e22 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - ポツンとバルカに残されたノコル姫、とっても心配しておりました… 強がって意地張っていても身体は正直ですね(；；) お話にしてくださってありがとうございます！姫を頼んだよ黒須…！ (9月24日 23時) (レス) @page38 id: a42c516e80 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - ねこにゃんさん» ねこにゃんさん！早速ありがとうございます。本当に大切に育てられた姫でしたよね〜。ベタベタ甘やかしそうな乃木兄さんと、厳しく鍛えるけど要所は押さえる黒須。いいコンビでした。続編？ええっ？続編はあまり期待しないでくださいね〜(汗)。 (9月24日 18時) (レス) id: 1ddc255e22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちえさん
| 作成日時：2021年4月25日 16時
