case5 22 ページ50
釈然としない気持ちを抱えたまま、警視庁を後にした。
混み合う車内、吊革に揺れている俺たちが窓ガラスに映っている。
ぼんやりとそれを眺めながら、これからの事を考える。
俺の体を気遣ってルールまで設けてくれた香取署長。
変人扱いせずにいてくれた先輩たち。
そんな人たちの元を離れるのは正直怖い。
でも。
アイドルコンビの熱い言葉が脳裏に蘇る。
『通常の捜査ではわからない部分を見つけなきゃいけないわけだからさ。俺たちとしては二宮の力が欲しい。』
『欲しいっていうか、不可欠なの。この係の性格上、お前たちが必要なの』
正直、嬉しかった。必要って言って貰えて。
でも、そんな俺にオレは問いかける。
お前、ちゃんとやれんのか？
今までみたいに単発の仕事じゃなくなるんだぞ。
『ミる力』って仕事にできんの？
「お前、どうすんの？」
弾かれたように顔をあげた。
いつの間にか改札を抜けていた事にも驚いたけど、相葉さんの何気ない質問が、俺の迷いとか、自分を試したい気持ちとかを見透かしている気がして、思わず返事がぶっきらぼうになる。
「わかんねーよ。そんなの。第一、新しい係だって次の会議で決まるんだろ？」
「そりゃそうだけど。」
「ここでウダウダ言っても仕方ねえだろうよ。」
「にのはさ、やってみたくないの？」
相葉さんが回りこんできた。
「俺はやってみたいんだよ。そりゃあ、刑事は向いてないけどさ、こういう地道な仕事はいけると思うんだよな。」
「そう？」
「そう。」
嬉しそうな顔をして、無邪気に見える相葉さんが妙にイラつき立ち止まる。
「相葉さんさ、俺を説得してんの？」
「そんなこと…俺の気持ちを言っただけじゃんか。」
相葉さんの語気がキツくなる。
「なんだよ、お前。さっきから。けんか腰でさ。」
けんか腰と言われた事に更にイライラが募る。
「あのな。俺だって、真面目に考えてるよ。ずうっと考えてるよ。
第一、ミるのは相葉さんじゃなくて俺だし。」
相葉さんの足が止まった。
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ちえさん(プロフ) - うるさん。ありがとうございます。元気を貰ってるとか言われると、本当に嬉しいです。うるさんのお話がもうすぐ終わってしまうのは、寂しいですが楽しみでもあります。頑張ってください。 (2016年2月17日 22時) (
レス) id: 788fd5506f (このIDを非表示/違反報告)
うる(プロフ) - お邪魔します。移行おめでとうございます(^^)2に気が付かず今見つけて慌てて読むしまつ...。悔しさ半分、でもバディの世界を一気読み出来る嬉しさも半分。いつも読んで沢山元気をもらってま〜す！ (2016年2月17日 22時) (レス) id: 7338df8104 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちえさん
| 作成日時：2016年2月12日 11時
