case5 13 ページ41
とはいえ、一人でフラフラ歩かせるのは危ないから、ヘルパーさんが一緒だったり、近所の方が気を利かせてついてあげたり。
単独行動を避けさせるようにしていた。
「おばちゃん、ありがとうね。」
そう言って、おばちゃんが見かけた場所へ向かう。
と、路地にタオルが落ちていて。
拾い上げるとカタカナで「イトウ」の文字。
目を上げればゆっくりとした足取りで、自宅への道を歩くおじいちゃんがいた。
迷っているわけじゃないと分かって、ホッとする。
乗ってきた自転車を降りて、気分を害さない程度に近づいた。
ここいらの地形は小高い丘になっていて、道は一段が三歩くらいの幅の広い階段上の作りになっている。
ある程度上ると、道の左側にオレンジ色の屋根が見えてくる。
伊藤さんの家だ。その玄関から女性が出てくるのが見えた。
「おじいちゃん。」と呼びかけてくる。
ヘルパーの木下さんだ。俺たちに気づき、頭を下げてきた。
もう安心だと相葉さんと目配せして、元来た道を戻った。
「迷子になんなくて良かったよね。」
そう言う相葉さんは笑顔がきれいで。
どうして彼女が出来ないんだろうなって思ったりして。
「仕事が忙しいからでしょ？」
え、漏れてた？
「うん。だだ漏れ。」
「あ〜、ごめんごめん。つい。」
「お前だって彼女いないじゃん。」
「ま、そうなんだけど。」
「こないだの合コン、盛り上がったらしいぜ。」
「聞いた。なんで、夜勤だったのかなー？」
伊藤さんの家から交番まで、話ながら押しチャリで戻ると、班長が交番の入口で待っていた。
背筋が自動的にピンと伸びる。
「お前ら…仕事って自覚あんのか？」
班長の地獄の底のような低い声に、
「はい！すみません！」
俺たちの声は自然に揃った。
ふうっとため息をついた後、班長からの言葉は意外なものだった。
「署長が呼んでる。行ってこい。」
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ちえさん(プロフ) - うるさん。ありがとうございます。元気を貰ってるとか言われると、本当に嬉しいです。うるさんのお話がもうすぐ終わってしまうのは、寂しいですが楽しみでもあります。頑張ってください。 (2016年2月17日 22時) (
レス) id: 788fd5506f (このIDを非表示/違反報告)
うる(プロフ) - お邪魔します。移行おめでとうございます(^^)2に気が付かず今見つけて慌てて読むしまつ...。悔しさ半分、でもバディの世界を一気読み出来る嬉しさも半分。いつも読んで沢山元気をもらってま〜す！ (2016年2月17日 22時) (レス) id: 7338df8104 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちえさん
| 作成日時：2016年2月12日 11時
