case5 11 ページ39
相葉さんが眺めているのは、そこそこ年数の経ったマンション。
メンテナンスの最中なのか、外階段には工事用のシートがかけられている。
不思議に思って、声をかけようとした時、相葉さんが振り向いた。
「にの。ここだよ。班長が担当したマンション。」
「そんなのあったっけ。」
「ほら、酔っ払いが階段から… 」
「落ちた…。ああ、あれか。」
それは、俺がまだ入院している時に起こった事故だ。
夜中にまとまった雨が降った翌朝。
男が外階段の下で亡くなっているのを新聞配達員が発見した。
男性の名前は青木さん、このマンションの住民だった。
駆けつけた班長たちは殺人も視野に入れて、刑事課にも来てもらったんだけど。
近所では有名なアル中もいうことと、実際にアルコール中毒の専門医に掛かっていたことが判明。
検死の結果、血中アルコールが異常に高いこと以外不審な傷がないことが判明した。
「で、事故って結論になったらしいよ。」
ふーん…
「本当に事故かなぁ…」
「だから、事故なんだって。
刑事課も鑑札も同じ結論だしたの！」
俺はマンションの６階あたりを見上げる
「だってさ。酔っぱらってたんでしょ？6階まで階段使う？
俺ならエレベーター使うよ？」
そう言うと、相葉さんが顔をしかめる。
「そりゃあね。班長もそう言ってたよ。なんかおかしいって。
でもさ。おかしいって感じる証拠はないしさ。
なにより、刑事課がそう判断したんだしさ〜。」
「ふーん。」
「ご不満ですか？」
「んなこと、ないけど。」
相葉さんは俺をちらりと見たあと、意地悪そうに笑う。
「にのより体力あっただけじゃない？」
む。
さっきの話を蒸し返さなくてもいいじゃんか。
腹が立って、次のアパートでは二人で階段を競争するように上がっていった。
もちろん。そのつけは翌日しっかり回ってきて。
ガクガクと震える足で手すりにすがってアパートの階段を下りている。
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ちえさん(プロフ) - うるさん。ありがとうございます。元気を貰ってるとか言われると、本当に嬉しいです。うるさんのお話がもうすぐ終わってしまうのは、寂しいですが楽しみでもあります。頑張ってください。 (2016年2月17日 22時) (
レス) id: 788fd5506f (このIDを非表示/違反報告)
うる(プロフ) - お邪魔します。移行おめでとうございます(^^)2に気が付かず今見つけて慌てて読むしまつ...。悔しさ半分、でもバディの世界を一気読み出来る嬉しさも半分。いつも読んで沢山元気をもらってま〜す！ (2016年2月17日 22時) (レス) id: 7338df8104 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちえさん
| 作成日時：2016年2月12日 11時
