case5 10 ページ38
背の高いマンションに囲まれていても、空は見える。
透明度の高いきれいな青をながめながら、相葉さんがにこやかに言った。
「巡回連絡ってさ。おまわりさんって感じするよね〜。」
巡回連絡っていうのは受け持ち地域内にある家庭や事業所なんかを訪問して、要望とか意見を聞き取ったり、事故や犯罪の情報を住民の人に説明したり。
住んでる人と知り合えるいい機会だし、嫌いな仕事じゃない。
ただね。
そこそこの高さのある、そうだな、１０階建てとか？のマンションでも基本は階段を使うし、受け持ちの区域は一軒家よりも集合住宅の方が圧倒的に多くて。
そんなマンションの裏口で、巡回連絡カードを小脇に抱えて、空に目をやる相葉さんを横目でみながら、膝に両手を置いて肩で息をする俺。
「お疲れだね〜。」
ケロッとした顔でのぞき込んでくる相葉さん。
「次のアパートも８階まであるよ。」
「え〜。勘弁してよ。ってか、相葉さんは疲れないの？」
俺の足、震え気味なんですけど？
「そりゃあ、トレーニングの賜物ですよ。」
そう言って笑う相葉さん。悔しいけど男前度が２割増しだ。
「にのもさ、筋トレちゃんとやらないと。
一緒にジム行かない？」
「そんな余裕ない。」
「時間の余裕？」
「それもあるけどお金も。
それに、お仕事で最低限の筋トレはやってますよ。署でも階段使うし。」
そう口を尖らせた俺を相葉さんは鼻で笑う。
「うそつけ、筋トレしてんの見たことないよ。
ポニョポニョの腹してるくせして。」
「ふん。俺の腹とか見たことないくせに。」
「いや。見た。着替えるときに……」
思わずパシンと頭を叩くと、お返しとばかりに手が伸びてくる。首をすくめて目を閉じるが、何の衝撃も来ない。
目線を上げるとその手は頭上で止まっていた。
相葉さんの視線は目の前のマンョンに向けられていた。
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ちえさん(プロフ) - うるさん。ありがとうございます。元気を貰ってるとか言われると、本当に嬉しいです。うるさんのお話がもうすぐ終わってしまうのは、寂しいですが楽しみでもあります。頑張ってください。 (2016年2月17日 22時) (
レス) id: 788fd5506f (このIDを非表示/違反報告)
うる(プロフ) - お邪魔します。移行おめでとうございます(^^)2に気が付かず今見つけて慌てて読むしまつ...。悔しさ半分、でもバディの世界を一気読み出来る嬉しさも半分。いつも読んで沢山元気をもらってま〜す！ (2016年2月17日 22時) (レス) id: 7338df8104 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちえさん
| 作成日時：2016年2月12日 11時
