case5 8 ページ36
「いえ。確実ではないそうです。」
櫻井はすぐに否定する。
「こういう職場ですし、顔を見ただけでミるのならば、ひっきりなしにミている事になります。
その度に体調が悪くなるようでは仕事になりませんし、実際そういう事もないようです。」
「と、いうことは？」
「ミるためには何らかルールがあるのだと思います。解明は出来ていませんが…。」
グラスの氷のもてあそぶ大野を、櫻井が心配そうに見つめている。
「係長？何か企んでます？」
「んなことねえよ。」
間髪入れずに返事をした大野。
そのままちらりと櫻井たちに視線を向けるが、すぐに手元へ戻した。
沈黙が力になるとばかりに櫻井たちはじっと大野を見つめる。
ついに、大野は根負けして表情をくずした。
「本当だって。何も企んじゃいないから。」
ほっとしたように肩を動かした櫻井は、手元の時計に目を落とす。
そして、「もう一杯飲もうかな〜」と呟いている大野に、これみよがしに文字盤を見せつけた。
「帰りましょう。送りますよ。」
「……ちぇ…」
未練がましい目で櫻井を見ていた大野だが、それ以上文句を言う事もなく、イスを降りた。
とあるマンションの一室。
小さな明かりだけが点いているほの暗い部屋。
ベッドサイドに置かれた小さなテーブルで、青白い光が点り、同時にバイブ音が響いた。
毛布から伸びたきれいな指がそれを掴む。
寝ころんだまま、表示された名前を確認して顔をしかめる。
スマホの灯りに照らされたその顔。
大野である。
「おはようございます。課長」
「こんな時間まで会議とは、お疲れさまでした。」
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ちえさん(プロフ) - うるさん。ありがとうございます。元気を貰ってるとか言われると、本当に嬉しいです。うるさんのお話がもうすぐ終わってしまうのは、寂しいですが楽しみでもあります。頑張ってください。 (2016年2月17日 22時) (
レス) id: 788fd5506f (このIDを非表示/違反報告)
うる(プロフ) - お邪魔します。移行おめでとうございます(^^)2に気が付かず今見つけて慌てて読むしまつ...。悔しさ半分、でもバディの世界を一気読み出来る嬉しさも半分。いつも読んで沢山元気をもらってま〜す！ (2016年2月17日 22時) (レス) id: 7338df8104 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちえさん
| 作成日時：2016年2月12日 11時
