case5 7 ページ35
一方、少年たちの処分だが、深く反省しているし、初めてだというのも考慮して、厳重注意で帰したそうだ。
少し薄くなった酒で口元を湿らせた大野が口を開いた。
「いや、びっくりした。」
率直に感想を漏らす。
不意に話し始めた二宮の言葉とそれに続いた少年の供述。
誰も想像しなかった幕切れだった。
「でしょうね。」と呟く櫻井。「我々も、ああいう場面に遭遇したのは初めてでした。」
三人とも視線はグラスに向けたままだ。
マスターはグラスを磨いていて、近寄らないようにしている。
大野さん、良い店見つけたなと、櫻井は思う。
グラスを持て遊んでいた大野が呟く。
「…二宮はミたあと、ああなるのな。」
上気していた頬はすっかり色を失い、めまいでもするのか、相葉が体を支えていた。
車で帰るよう勧めたが、少し風に当たってから帰ると、駅の方向へゆっくり去っていった。
その二人からも先ほど電話が入った。
今日のお礼と先に帰ったことを詫びる内容だった。
大野がグラスを飲み干し、タンっとテーブルに置く。
「でもさ。なんで、店内に入ってすぐにわからなかったと思う？」
ここで初めて櫻井が顔を上げ大野を見る。
「なんで、といいますと？」
「いや、最初に店に入った時に、ピピンと来てもよさそうじゃない？」
松本と櫻井は顔を見合わせる。
当時の様子を思い描くように視線を天井に遊ばせる。
「店内に入ってすぐ、店内を見渡したようですが…。」
そう松本が言葉を濁せば、櫻井がフォローする。
「二宮は相手の顔を見ないとミれないんです。
ざっと周囲に目を配ったでしょうが…。少年達の顔をみたかどうかは…」
「顔を？」
伺うように櫻井を見る大野。
少し間が空いて、更に問いかける。
「顔を見れば、確実にミれるの？」
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ちえさん(プロフ) - うるさん。ありがとうございます。元気を貰ってるとか言われると、本当に嬉しいです。うるさんのお話がもうすぐ終わってしまうのは、寂しいですが楽しみでもあります。頑張ってください。 (2016年2月17日 22時) (
レス) id: 788fd5506f (このIDを非表示/違反報告)
うる(プロフ) - お邪魔します。移行おめでとうございます(^^)2に気が付かず今見つけて慌てて読むしまつ...。悔しさ半分、でもバディの世界を一気読み出来る嬉しさも半分。いつも読んで沢山元気をもらってま〜す！ (2016年2月17日 22時) (レス) id: 7338df8104 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちえさん
| 作成日時：2016年2月12日 11時
