case5 5 ページ33
俺は相葉さんと顔を見合わせて苦笑する。
何気なくぐるりと店内を見渡して…
ふと、少年と目線が合った気がした。
気づけば店のＢＧＭが聞こえなくなっていた。
周囲と切り離されたような独特の感覚。
俺にしか見えない光景が見えてくる…
…やがて、元いた世界がゆっくりと動き始める。
ミる前に掛かっていた歌がまた聞こえてきて、感じるほど長い時間じゃないんだなって思う。
目を開くと世界が回っている気がして、目元を押さえる。
「大丈夫？」
相葉さんが様子を察して肩を支えてくれた。俺の顔を覗きこみ、意味ありげな視線を送ってくる。
俺は頷くと、二人の少年に向き直った。
「君たちでしょ、おじさんのポケットに商品突っ込んだの。」
「スマホ壊された腹いせ？気持ちはわかるけど、良くないよ。」
少年達の目が大きく見開かれ、そのあと分かり易く揺らいだ。
少年の一人が泣きだし、うずくまる。
すぐさまもう一人が肩を抱くようにしゃがみこみ、二人の前に相葉さんがしゃがみこんでいる。
俺は、ふらつく体を柱にもたれさせていた。
「あいつ、店に入って…きたと…に…俺に…ぶつかって…
で…弾みでスマホ…落ちちゃっ…割れて…」
泣き声の合間から切れ切れに訴える少年。
少年の手に載っているスマホは画面が暗くなっており、白いヒビが目立っていた。
肩を抱くもう一人の少年が、相葉さんに食ってかかるように話しだす。
「でも、ひでぇんだよ、このおっさん。カイトのスマホこんなんしといてさ。
『こんな時間までガキがうろうろするな』って。
俺たちなんも悪いことしてねーのに…
だからっ！…だから、俺たち…」
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ちえさん(プロフ) - うるさん。ありがとうございます。元気を貰ってるとか言われると、本当に嬉しいです。うるさんのお話がもうすぐ終わってしまうのは、寂しいですが楽しみでもあります。頑張ってください。 (2016年2月17日 22時) (
レス) id: 788fd5506f (このIDを非表示/違反報告)
うる(プロフ) - お邪魔します。移行おめでとうございます(^^)2に気が付かず今見つけて慌てて読むしまつ...。悔しさ半分、でもバディの世界を一気読み出来る嬉しさも半分。いつも読んで沢山元気をもらってま〜す！ (2016年2月17日 22時) (レス) id: 7338df8104 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちえさん
| 作成日時：2016年2月12日 11時
