winter story36 ページ12
oono:
さみぃなー
「今年は暖冬って言ってなかったか？」
「言ってました。
でも、明日からまた冷え込むみたいですよ。」
暖房の効いた病棟と違って事務棟の廊下は寒く、
俺たちはスリッパを鳴らして部屋へ急いでいた。
昨日、全ての検査が終わり、無事抜管もすませてICUを出たカズ。
一般病棟に移ったと聞いて、アイバと一緒に顔を見にいった。
いや、まあ。
噂に聞いてはいたが、特別室はすげーなぁ。
いやあ、豪華、豪華。
風格が違うや。
そんな部屋に不似合いな医療用のベッドに横たわるカズ。
酸素マスクをつけ、点滴にカテーテルと管だらけで。
手ときたら包帯がぐるぐる巻いてあってかなり痛々しい。
ベッドサイドには大きなモニターが塔になってピーピーと音を立てていた。
「カズちゃん、管だらけだ。」
帽子、ガウン、マスクを着せられて部屋にはいったアイバは、悲しそうに眉を下げた。
「術後だし、こんなもんかな。」
「大変なんだね。」
頬に向かってそっと伸ばされた手を俺はつかんだ。
振り返ったアイバに首を振る。
「・・・ダメ・・・なの？」
「HCUだから、雑菌はご法度だ。」
「HCU・・・？」
「ICUの次位に管理しないといけないされてる患者さん用の部屋。
一般病棟ならガウンもマスクも着けないだろ？」
「うん。触るのもダメなんだね・・・」
そのままじっとマスクの向こうの顔を見つめていたがほっと息を吐いた。
「カズちゃん。またね。」
夕方一度目を覚ましたと言うので、もう一度会いに行ったけど、またもや空振り。
カズはもう眠っていて、明日までは会わせられないと追い返されてしまった。
「会えないと余計に寒く感じるね。」
アイバは細い体を抱くようにして足を速める。
「温かい酒か・・・いや、焼酎かなあ・・・」
「ふふっ。そういえば、夜ご飯の時間か。」
「そうだ。今日は外に食いに行こう。花金だぞ〜花金♪」
「はなきん？なんですか、ソレ。笑」
「なんとかフライデーの事をそう言ったんだよ。昔。」
「プレミアムフライデーの事かあ。
あれ、今年もあるのかな？」
「あってもなくても、俺には関係ないや。」
「確かにー」
アイバの笑い声。やっと聞けたな。
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ねこにゃん(プロフ) - ちえさんさん» ふふふ、夢と希望を詰め込んでます（笑）。なかなか贅沢とは縁がないですね〜。 (2020年9月25日 19時) (
レス) id: 3517159278 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - 一度でいいから、ここまで突き抜けた贅沢をしてみたい。落ち着かないだろうけど(笑) (2020年9月25日 18時) (レス) id: b2bd56270d (このIDを非表示/違反報告)
ねこにゃん(プロフ) - 千智さん» ほんとにいつ原因がわかるのでしょう（滝汗）さみしがりやのカズちゃんだけど、しばらくは一人ぼっちかなあ・・・。コメントありがとうございました。 (2020年8月11日 16時) (レス) id: 3517159278 (このIDを非表示/違反報告)
千智(プロフ) - やっぱり大野さんがストレスになってるんでしょうか？！でもカズちゃん、大野さんに会いたがってるような気もするようなしないような…。早く原因がわかって元気になりますように。、 (2020年8月11日 14時) (レス) id: 5441d66b3a (このIDを非表示/違反報告)
ねこにゃん(プロフ) - orangeさん» orangeさん、コメントありがとうございます。カズちゃんも頑張ってるんですけど、なかなか先が見えてきません(;^_^A 終わりもすこーし見えてきていますが、どうなる事やら・・・。無事に着地させられよう頑張ります！ (2020年7月9日 19時) (レス) id: 3517159278 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねこにゃん | 作成日時：2020年3月14日 18時
