狂犬にご注意を。2 (ページ4)

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佐野

・

あぁ…俺じゃあ誠也くんのこと、止めることが出来ん

…ﾊﾞｷｯ

…ﾄﾞﾝｯ

佐「…っ、」

リーダー格の男をボコボコにした後、手下みたいな2人がAちゃんから離れて誠也くんに立ち向かうけど一瞬でやられる

佐「Aちゃっ…」

近寄ろうと1歩踏み出した瞬間、俺よりも先に誠也くんがAちゃんの元に駆け寄る

優しくだきあげて、口元のテープを剥がして…
縛られとった手も優しく解く…

「すっ…ぇ、ざわ……く、んっ…っ、」ｷﾞｭｯ

末「…ごめん、」ｷﾞｭｯ

あぁ、やっぱり俺は弱い

中学の時と…一緒

誠也くんは自分のシャツを脱いでAちゃんに着せたあと、
おんぶして倉庫から出てきた

佐「…ごめん、」

末「謝んな、」

Aちゃんは、誠也くんの背中にしがみついてて
誠也くんの顔と首元には返り血が付いてた

・

・

福「Aっ…！！」

小「…おいおい、ガチやん」

正「…」

リ「…大丈夫、ちゃうな」

おんぶする誠也くんに着いていく途中、全員に『見つかったよ、保健室来て』とだけ連絡を入れておいた

「ごめっ…」

末「…」ｷﾞｭｯ

『とりあえず、今日はもう帰りなさい。皆、護衛頼むよ』

正「…はい」

Aちゃんが楽しみにしとった文化祭、今年も出来んかったな

正「…あいつら、入学初日から色々やっとって、退学処分受けててんて」

リ「腹いせ？」

正「多分、…前と一緒で雪乃さんがおらんなったら誠也くんが飛んでくる思ったんやと思う」

福「…」

佐「…あ、あの」

小「どうした、小僧」

佐「誠也くん、あの時と…同じ目に、なっててん。」

小「…あれか」

福「それって…」

佐「うん…多分、そうやと思う」

【好きな人を…守る時の、目】