寝ても覚めても。 (ページ25)

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有終の日ページ25

hina,side

ヤ「…え？」

それまでの顔とは一変し、
真剣な彼の瞳がこちらを見上げる。

ヒ「俺は、ヤスが好きや」

ヤ「ほ、ほんまに？」

困惑を抑えきれないような、
それでもなんとか堪えている、
そんな彼の表情。

ヒ「あぁ…本気や」

ウソなんてつくわけない。
この気持ちにウソなんて１mmもない。

ヤ「ありがとう。
あの、えっと…嬉しい」

そう言ってヤスは
顔を赤らめて控えめの笑みを魅せる。

ヤ「でも…僕な…」

ヒ「知ってる」

ヤ「え？」

ヒ「好きなんやろ。＿＿が」

ヤ「…⁉」

驚くように彼は目を大きく見開いた。

ヒ「なめてもらっちゃ、困るで。
俺はお前が好きなんや。
そんなん気付くに決まってるやろ」

出来るだけヤスに俺の想いが届くよう、
しっかりと言う。

ヤ「信ちゃん…」

またまた、顔を赤くさせ、
ヤスの視線が俺の顔から外れて
少し下がる。

ヒ「俺は、ヤスに
知ってほしかっただけやから」

ウソなんてない、
本当の気持ち。

八重歯を光らせるように笑って言うと、
ヤスも同じようにほほ笑む。

ヤ「うん…ありがとう」

俺は、赤みがかったその頬に
キスを落とす。

ヤ「…わ‼」

ヒ「俺、好きになったのがヤス、
お前でよかったって…思ってる」

ヤ「！…信ちゃん、大好きやで」

いきなり飛びついてくるので多少驚いたが、
俺も、と言って抱き返して
ヤスの頭に手のひらをのせると、
嬉しそうな表情をしたヤスがいた。

これが俺のこたえ。