ラブソングは突然に (ページ4)

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裕「遅いし送るわ」

『ありがたいんですけど私自転車なんですよ』

裕「知ってるけど‥？」

だから？と言わんばかりの顔

だって先輩電車通勤ですよね

裕「大通りまで

危ないやろこの辺」

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カラカラと自転車のタイヤがまわる

彼女でもないのに送ってもらってる

裕「Aちゃんはおらんの？」

『なにがですか‥？』

裕「プレゼントしたいヤツとか」

『いる、にはいますけど』

え、まじ！って叫ぶあなたなんですけど

『その人にはあげれませんね

‥見てるだけですし』

裕「ふぅん‥」

パチっと目が合う

それは一瞬のことだったけど

街灯のない、細い裏路地で

『いつか、渡せるといいです』

裕「せやなぁ

なんなら俺が見繕ったるわ」

不思議な空気が漂う

裕「そいつ、誕生日何月なん」

ビルの窓からもれる光が星みたいで

きらきら、きらきら、先輩の姿をうつす

何かが溢れだしそうな、

そんな予感